崎山蒼志と諭吉佳作/men、見つめ合う2つの才能 その特異な実態

崎山蒼志と諭吉佳作/men、見つめ合う2つの才能 その特異な実態

崎山蒼志『並む踊り』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:松永つぐみ: 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

崎山蒼志の2ndアルバム『並む踊り』は、崎山の待望の新作というだけでなく、君島大空や長谷川白紙といった強烈な「個」を持つ音楽家たちがコラボレーターとして参加したことによって、今、この時代の音楽地図上においても、とても重要な作品となった。崎山を含め、この作品にクレジットされた顔ぶれを「シーン」として括ることは野暮すぎるが、文脈の路地裏から、「その人」固有の声を、眼差しを、感触を、フェチを、悲劇と喜劇を……その全てを、音楽に捉えようとする才能が今、この国に一挙に現れていることには、強い興奮を覚えるとともに、彼らの存在そのものが、とても具体的な手触りをもって、我々になにかを語りかけているような気もする。

そんな重要作『並む踊り』に参加したコラボレーターのひとりが、2003年生まれの音楽家・諭吉佳作/menだ。崎山と同じく10代という若さながら、既にその非凡なトラックメイクと世界観が注目を集め、でんぱ組.incへの楽曲提供なども行っている諭吉。『並む踊り』に収録された崎山と彼女とのコラボ曲“むげん・”は一体どのようにして生まれ、ふたりの間にはどのような化学反応が起こったのか。ふたりに話を聞いた。


左から:崎山蒼志、諭吉佳作/men
左から:崎山蒼志、諭吉佳作/men

崎山蒼志『並む踊り』を聴く(Spotifyを開く

「崎山さんは『すごくいい』っていう感じで、そこに『いた』というか。いい感じに変だった、というか……」(諭吉)

―おふたりは同世代、しかもともに静岡在住ということで。お互いの存在を認識したのはいつ頃のことでしょう?

崎山:僕が諭吉さんのことを知ったのは、去年の3月くらいで。地元ラジオ局のオーディションに諭吉さんが出ていたんです。そこで初めてライブを観て、「え、なんかヤバい人が出てきた……」と思って。

諭吉:(笑)。

崎山:そのあと、掛川でやっていた無料イベントに出たときに、「諭吉佳作/men」が出ているのを見つけて、「あのときのヤバい人だ!」と思って。そこで初めて、少しですけど話したんです。

崎山蒼志(さきやま そうし)<br>2002年生まれ静岡県浜松市在住。母親が聞いていたバンドの影響もあり、4歳でギターを弾き、小6で作曲を始める。2018年5月9日にAbemaTV『日村がゆく』の高校生フォークソングGPに出演。独自の世界観が広がる歌詞と楽曲、また当時15歳とは思えないギタープレイでまたたく間にSNSで話題になる。2019年10月30日に2ndアルバム『並む踊り』をリリースした。
崎山蒼志(さきやま そうし)
2002年生まれ静岡県浜松市在住。母親が聞いていたバンドの影響もあり、4歳でギターを弾き、小6で作曲を始める。2018年5月9日にAbemaTV『日村がゆく』の高校生フォークソングGPに出演。独自の世界観が広がる歌詞と楽曲、また当時15歳とは思えないギタープレイでまたたく間にSNSで話題になる。2019年10月30日に2ndアルバム『並む踊り』をリリースした。

左から:諭吉佳作/men、崎山蒼志

崎山:そのときのライブでも、改めて「マジで、ぱない」と思いました。自分で作ったオケを流して歌っている、その佇まいがもう、全部ヤバくて、かっこよかったです。

諭吉:ありがとうございます……。最初に観てくださったオーディション、私が受けた年の前々回に崎山さんが出て、グランプリを獲っていたんですよね。なので、そのときの動画とかを見て崎山さんのことは知っていたんです。でも、実際にライブを観たのは、掛川のイベントのときが初めてで。なんというか……難しいことを置いておいて、崎山さんは「すごくいい」っていう感じで、そこに「いた」というか。いい感じに変だった、というか……(笑)。

崎山:(笑)。

諭吉:飄々としている感じだったんですよね。着飾ってかっこよく見せようとかじゃなくて、でも、「飾らないからかっこいい」みたいなことでもなくて。

諭吉佳作/men(ゆきちかさくめん)<br>2003年生まれの音楽家。2018年、中学生の時に『未確認フェスティバル』で審査員特別賞を受賞。その唯一無二の楽曲センスと艶のある伸やかな歌声で注目を集め、インディーズバンド音楽配信サイト「Eggs」では年間ランキング2位を獲得。音楽活動以外にも、執筆活動やイラストレーションなどクリエイティブの幅は多岐にわたる。2019年、でんぱ組.inc“形而上学的、魔法”の楽曲提供を行い話題に。
諭吉佳作/men(ゆきちかさくめん)
2003年生まれの音楽家。2018年、中学生の時に『未確認フェスティバル』で審査員特別賞を受賞。その唯一無二の楽曲センスと艶のある伸やかな歌声で注目を集め、インディーズバンド音楽配信サイト「Eggs」では年間ランキング2位を獲得。音楽活動以外にも、執筆活動やイラストレーションなどクリエイティブの幅は多岐にわたる。2019年、でんぱ組.inc“形而上学的、魔法”の楽曲提供を行い話題に。

左から:諭吉佳作/men、崎山蒼志

諭吉:上手く言葉にできないですけど、もう「できている」感じ。既に、ずっと存在している。そんな感じで、とにかく「崎山蒼志だなぁ」って。

崎山:ありがたいです……。恐縮です。

諭吉:あのとき、まだ崎山さんはそんなに世の中に知られていない存在だったけど、その状態の崎山蒼志に出会えたのは、私は本当に運がよかったなって常々思っていて。身近にこういう人がいるっていうのは、本当に、「強い」ことだなって思います。

崎山:うへぇ。

諭吉:「うへぇ」じゃないよ(笑)。

左から:諭吉佳作/men、崎山蒼志

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リリース情報

『並む踊り』(CD+DVD)

2019年10月30日(水)発売
価格:2,728円(税抜)

[CD] 1. 踊り 2. 潜水(with 君島大空) 3. むげん・(with 諭吉佳作/men) 4. 柔らかな心地 5. 感丘(with 長谷川白紙) 6. 夢模様、体になって 7. 烈走 8. 泡みたく輝いて 9. Video of Travel [DVD] 1. ドキュメント「崎山蒼志 LIVE 2019 とおとうみの国」 2. 「国」ミュージックビデオ

イベント情報

『崎山蒼志 TOUR 2019 「並む踊りたち」』

2019年10月28日(月)
会場:東京都 渋谷 CLUB QUATTRO

2019年11月3日(日・祝)
会場:香川県 高松 SPEAK LOW

2019年11月4日(月・振休)
会場:大阪府 梅田 TRAD
ゲスト:諭吉佳作/men

2019年11月10日(日)
会場:東京都 神田明神ホール
ゲスト:長谷川白紙

2019年11月16日(土)
会場:福岡県 ROOMS

2019年11月17日(日)
会場:広島県 SECOND CRUTCH

2019年11月30日(土)
会場:愛知県 名古屋 JAMMIN'

2019年12月15日(日)
会場:静岡県 浜松 窓枠

ゲスト:君島大空

2019年12月21日(土)
会場:宮城県 仙台 HooK

2019年12月22日(日)
会場:北海道 札幌 KRAPS HALL

料金:各公演 前売3,700円(ドリンク別)

プロフィール

崎山蒼志
崎山蒼志(さきやま そうし)

2002年生まれ静岡県浜松市在住。母親が聞いていたバンドの影響もあり、4歳でギターを弾き、小6で作曲を始める。2018年5月9日にAbemaTV『日村がゆく』の高校生フォークソングGPに出演。独自の世界観が広がる歌詞と楽曲、また当時15歳とは思えないギタープレイでまたたく間にSNSで話題になる。2018年7月18日に「夏至」と「五月雨」を急きょ配信リリース。その2か月後に新曲「神経」の追加配信、また前述3曲を収録したCDシングルをライヴ会場、オンラインストアにて販売。12月5日には1stアルバム『いつかみた国』をリリース、併せて地元浜松からスタートする全国5公演の単独ツアーも発表し、即日全公演完売となった。2019年3月15日にはフジテレビ連続ドラマ『平成物語』の主題歌「泡みたく輝いて」と明治「R-1」CM楽曲「烈走」を配信リリース。5月6日に自身初となるホール公演「とおとうみの国」を浜松市浜北文化センター大ホールで大成功させた。10月30日に2ndアルバム『並む踊り』をリリースした。

諭吉佳作/men(ゆきちかさくめん)

2003年生まれの音楽家。2018年、中学生の時に「未確認フェスティバル」で審査員特別賞を受賞。その唯一無二の楽曲センスと艶のある伸やかな歌声で注目を集め、インディーズバンド音楽配信サイト「Eggs」では年間ランキング2位を獲得。音楽活動以外にも、執筆活動やイラストレーションなどクリエイティブの幅は多岐にわたる。2019年、でんぱ組.inc「形而上学的、魔法」の楽曲提供を行い話題に。

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