2020年に結成された4人組、チョーキューメイが急速に注目を集めている。2022年にリリースされた1stアルバム『するどいささくれ』に収録されている“貴方の恋人になりたい”は2023年に入ってTikTok経由で注目を集め、その盛り上がりはアジア各国のバイラルチャートに飛び火。1位を獲得した韓国をはじめ、台湾、香港、タイ、ベトナムなど多数の国や地域でチャート入りを果たし、Spotifyでの総再生回数は1,400万回を突破している。
ボカロやアニソンなどをルーツに持つボーカルの麗による弾き語りをもとに、幅広いバックグラウンドを持つメンバーとのセッションで構築されるチョーキューメイの楽曲は、2020年代型のJ-POPと呼ぶに相応しい。<恋に落ちている こっちを見てよ!>というストレートな歌詞や心地いいループ感が魅力の“貴方の恋人になりたい”は彼女たちにとって「一周回ってシンプルに」仕上げられた楽曲であり、ライブを見ればその自由な演奏に新鮮な驚きが感じられるだろう。
今後のさらなる飛躍が期待される4人に、バンドの創作スタンスについて語ってもらった。
“貴方の恋人になりたい”は言語の壁を越えて、なぜ韓国バイラルチャートの1位に?
―“貴方の恋人になりたい”に対する反響をどのように受け止めていますか?
空閑(Dr):最近そういう質問をされることが増えて、やっと反響を実感するようになってきました。数字を見ても、正直「そうなんだ」ぐらいにしか思ってなかったんですけど、いろんな方に「すごいね」と言ってもらえるようになって、最近になって本当にすごいことになってるんだなっていう実感が湧いてきました。
れんぴ(Pf):ようやくだよね。「すごーい。自分たちの曲じゃないみたい」と思ってたんですけど(笑)。
ごん(Ba):韓国でバイラルチャートの1位になってたり、すごいことになってるなっていうのはずっと感じてました。
―麗さんはどうですか?
麗(Vo,Gt,Vn):人生なにが起きるかわかんないなって。“貴方の恋人になりたい”は去年の6月にリリースされた曲(アルバム『するどいささくれ』に収録)だし、シングルカットもされてないので、当時はミュージックビデオもつくってなくて、今年になって慌てていろいろやり始めて。でもすごく可能性を感じました。
―きっかけはTikTokが大きかったわけですよね。
麗:そうですね。ちゃんと更新し始めるまではフォロワーもあんまりいなかったんですけど、更新するようになったらいろんな曲に反応があって。そのなかでも一番いろんな人に使ってもらえる機会が多かったのが“貴方の恋人になりたい”でした。
―まず日本で注目されて、それから韓国をはじめアジアに波及していったんだと思うんですけど、なにかきっかけってあったんですか?
れんぴ:フェイスチェンジが流行ったあたりから、韓国の人が増えた気がする。
麗:そこから「歌ってみた」とかどんどん出てきて、気づいたら言語の壁を越えていた、みたいなところがあります。
“貴方の恋人になりたい”はどのようにつくられた? チョーキューメイの自由なアレンジメントの背景
―TikTokの影響力は大きいわけですけど、もちろん楽曲自体に魅力がなければこういう状況にはならないわけで。あらためて、“貴方の恋人になりたい”がどのようにつくられたのかを教えてもらえますか?
麗:いつも弾き語りでつくったものをみんなに聴かせてからスタジオに入って、せーので合わせるのをベーシックにやっているんですね。この曲はAメロだけちゃんとつくっていったんですけど、最初は「パッとしない」って言われて、バンドアレンジをしながらメロディーも変えたりしました。
ただ一旦つくってはいたけど、ライブでは演奏しない期間があって、いざアルバムをつくろうってなったときに、「あの曲あったよね」って、もう一回ちゃんとアレンジを考えた感じです。
―最初に麗さんがメンバーに聴かせるデモは完全に弾き語り?
麗:iPhoneで録音した弾き語りです。パソコンでつくって、とかではないですね。
―あえてそうしてる部分もあるんですか? いまはDTMでつくり込んで、バンドでそれを再現する人も多いと思いますけど、麗さんの場合はバンドで合わせることでの変化を楽しんでるのかなと感じます。
麗:無限の可能性あるなとは思いますね。弾き語りでつくっても、バンドというフィルターを通したら、もとの形から変わっていくと思うので、それを楽しむのはあります。
私が機械をそんなに動かせないのも理由としてあるんですけど、自分の弾き語りと、参考にしたい曲とかをみんなに聴かせて、「こういうリズムで進めていきたい」みたいな感じでつくっていくことが多いです。
―“貴方の恋人になりたい”は淡々としたループが気持ちよくて、それが結果的にTikTokにもフィットした側面があると思うんですけど、あの淡々としたループ感はもともと麗さんの中でイメージとしてあったのか、それともバンドで合わせてああなったのでしょうか?
麗:誰かの希望とかではないですね。アルバムをつくっているなかで、レコーディングする曲も多かったので、「これは一周回ってシンプルにいこうよ」みたいな感じでした。
ほかの曲は技巧的なものも多いから、結構脳みそを使っちゃうので、アルバムの中に1曲くらいシンプルなやつがあってもいいんじゃないかっていう、ある意味バランスを取りにいった曲でもあるんですけど……それがこんなふうになるとは思ってもみなかったです。
―れんぴさんは“貴方の恋人になりたい”のアレンジをどう感じていますか?
れんぴ:たしかにリードとして扱ってはいなかったですけど、自分は完成したときからめちゃくちゃ好きで。『するどいささくれ』がリリースされてから、しばらくあの曲だけ聴いてる時期があったぐらい好きな曲なんです。
シンプルではあるんだけど、ちゃんと演奏してるときの楽しみがあるというか、後半に向けてセクションが変わっていったり、そんなに激しい動きがあるわけではないけど、リラックスして弾いてられる感じもいいし、でも最後の方はめちゃめちゃ好き勝手にやらせてもらえるし、自分は大好きな曲です。
―あの曲に限らずチョーキューメイの曲はピアノがひとつの特徴になってるわけですけど、ピアニストとしてのバックグラウンドを教えてもらえますか?
れんぴ:昔からフュージョンやR&Bを聴くことが多かったんですけど、それを自分で弾くようになったのは大きくなってからって感じで。ピアノを弾き始めたころは、友達に「これ弾いてよ」って言われたのを何でも弾いてて、特定のジャンルにこだわりがあったわけではなく、そのときそのときでいろいろ弾いていました。
―メンバーそれぞれジャズが背景にある人たちというわけでもない?
ごん:専門学校のころにジャズを学んでいたことはありましたけど……でもそんなに。一応知識としてはある、ぐらいの感じですね。
空閑:僕も一応ジャズ研に入ってたけど、まともに機能してなかった(笑)。
多彩な転調に象徴される、感覚と理論を掛け合わせた独自のソングライティング
―麗さんとごんさんは同じ専門学校に行ってたんですよね?
麗:はい。もともと高校が一緒で、バンドもやってたんですけど、専門は学科が違って、私はシンガーソングライターのコース、ごんはジャズポピュラーのコースで。
―麗さんは学校で理論的なことも勉強したわけですか?
麗:全然学べてないです(笑)。理論は学校に行ったら学べるんじゃなくて、学びたいと思わないと学べないということに気づいてしまい、そこまで理論を必要としていない自分がいて、途中から友達に会うために学校に行ってました。どっちかっていうと、理論より魂を大事にしてます(笑)。理論はあんまりよくわかってないんですけど、転調とかは好きで。
―まさに、転調はチョーキューメイの楽曲のひとつの特徴ですよね。
麗:私は結構感覚でやってるんですよね。ギターもそんなに上手くないので「ここいい感じだな」っていうのを見つけてみんなに聴かせて、「こっちの方がもっと滑らかに転調できるよ」とか教えてもらったり。
自分が理論的じゃないおかげで、柔軟にできているのかなと思います。れんぴはキーボードならではの美味しい転調をいろいろ提案してくれたりもするし。
―麗さんはもともとボカロやアニソンもお好きなんですよね。ボカロやアニソンも転調がかなり使われているから、自然と影響を受けてる部分もあるでしょうね。
麗:たしかに、そうかもしれないですね。
―空閑さんはセッションで曲づくりをする際に役立ってるような音楽的なルーツというと、いかがですか?
空閑:大学で軽音楽部に入って、そこはコピバンしかしないところだったんですけど、ちゃんと叩けるドラマーがそんなに多くはなくて。自分は中高で吹奏楽をやってたから、ある程度叩けたので、学祭で20バンドくらい組んだりして。
1バンド3〜4曲ずつ、なにも覚えてない状態で全部やってました(笑)。そのときに「このときはこっちに飛ぶはず」とか「こういうパターンのときはこっちにいくはず」っていう、感覚で追っかけてたので、多分それでセッション力がついたというか。
空閑:当時まだサブスクがなくて、しかも自分はネット弱者で、YouTubeをろくに見られない環境にいたので、CDを貸してくれる人はまだいいんですけど、スタジオで曲を流して、「じゃあやろう」みたいなときは、「そんなの覚えらんないよ」っていう感じで、余計セッション的にやるしかなくて……サブスクがあったらよかったなって(笑)。
「自分たちがつくってるのはあくまでもJ-POP」(麗)
―みんなひとつのジャンルを深く追求するというよりも、いろんな音楽に幅広く接してきたからこそ、チョーキューメイの自由なアレンジにつながっていると言えそうですね。もう一度“貴方の恋人になりたい”の話に戻すと、最初はちょっとシンプルすぎるかも、というところから、どうやって今の完成形になったのでしょうか?
麗:途中から盛ることを諦めたというか。サビメロも「このぐらいわかりやすくて良くない?」みたいな。
れんぴ:最初めちゃめちゃ笑ってたよね。ちょっと不安だったもん。こんなド直球……まあいいか、1回やってみようぜ、みたいな。
麗:「恋に落ちている」みたいな歌詞を書いたのも初めてで。高校生のとき、ごんと一緒に組んでたバンドはオルタナというか、8分の6拍子の曲しかやらない、暗い曲やりがち、みたいな高校生あるあるな感じで。それを褒めてもらってはいたんですけど、また別の良さも出していきたいなって考えていて。
だからチョーキューメイを始めたときも、最初はエモい曲っていうか、しんみり聴く曲が多かったんです。でもライブを重ねていくうちに、「みんなで楽しめる曲も欲しいよね」となってきて。歌詞もいつもはいっぱい言葉を考えちゃうんですけど、“貴方の恋人になりたい”に関しては、「一周回ってやっぱこれっしょ」みたいな感じで、私の中では実験的なところがありました。
―今年出たEP(『LOVEの飽和水蒸気』)を聴くと、“故のLOVE”みたいなポップな曲も入ってるし、“貴方の恋人になりたい”がチョーキューメイ的ポップ路線のスタートになってたのかもしれないですね。最後の急にサンバになる展開もやっぱりセッションから?
空閑:最初は完全におふざけです。ふざけてサンバキックを踏んだら、れんぴがふざけてモントゥーノ(※)を弾き始めて、それが採用になっちゃって、「マジかよ」っていう。
れんぴ:最初「サビが3回あるのにずっと同じで大丈夫?」みたいな話をしてて、「じゃあ変なことするか」とか言い出して、急にあのキックを踏み出したから、それに悪ノリで乗っかって。
最初はどうしても前のパートとくっつかなかったけど、「三連のキメを入れればくっつくよね」ってなって、「じゃあこれ使っちゃおうか」って。
ごん:一回却下されて、ほかのアイデアも考えだけど、結局しっくり来なくて。
麗:最初は攻め過ぎかなって思ったけど、でもふざけて、遊んで、それがいいじゃんってなるのは音楽の原点な気がするから、それが正しかったのかなって。
れんぴ:実際ライブであそこ弾いてるときめっちゃ楽しいんですよ。
麗:あそこで、ああいうリズムを刻む発想は弾き語りの考えにはないので、やっぱりみんなの力を借りてつくった曲だなって思います。
※ラテン音楽固有のピアノリフ。オクターヴを用いたメロディアスなリフであることが特徴
―特定のジャンルしか通ってない人だと、「何それ?」となるかもしれないけど、途中でも話したように、みんな何でも受け入れられるバックボーンがあるからこそ、遊びの延長でアレンジが成立するんでしょうね。
麗:自分たちがつくってるのは、あくまでもJ-POPだという自覚があるんですよね。ジャズみたいな要素はあくまでエッセンス。ガチのジャズはその界隈の人たちがやってくれるのを聴けばいいし、自分は「なんちゃって」しかできないって割り切った方が、その分ポップに昇華できると思ってるので、そこは前向きに考えてますね。
「伴奏が変わっても絶対にいいメロディーラインをつくれる自信がある」。麗のボーカルスタイルはどのようにつくられていった?
―ボカロやアニソンといった麗さんのルーツとチョーキューメイの楽曲はどう紐づいてると感じていますか?
麗:コード進行とか歌詞はやっぱり影響されてるなって思います。でも一番好きなバンドのamazarashiからの影響も大きいです。
―昔はもうちょっと暗かったというのも、ピアノの存在感が大きいのもamazarashiとリンクする部分ですよね。でもいまはその良さも残しつつ、少しずつ変わってきてると。
麗:何年か前は暗いことばっかり考えてたんですけど、年齢を重ねるにつれて自分のメンタルがポップになってるなって思います(笑)。
―ボカロやアニソンは歌に関しても影響が大きい気がします。ほかのインタビューでも言っていたと思うんですけど、ボカロを聴いてたからこそのメロディーをつくるときの音域の広さがある。あと『ラブライブ!』も好きだったそうですけど、声優さんの歌は感情表現とかニュアンスの付け方が上手いから、そういうところも影響あるのかなと感じます。
麗:ボカロは機械の声じゃないですか。「歌ってみた」を聴くと、だからこそ自分なりの解釈で歌うことができるというか。ボカロはガイドメロディーみたいな側面もあるので、それを自分なりに自由に解釈して歌える。そういうのも影響してるのかなって思います。
―自分で「歌ってみた」をやったりはしなかった?
麗:ちょっとだけ投稿したことあります。でもやっぱり人の歌じゃないですか? それもいいんですけど、こういう神曲を自分がつくれたら最高だなって途中から思うようになって。
―歌うことに加えて、つくることの楽しさを見出していったと。ほかのメンバーから見た麗さんのボーカルの魅力についてはどうですか?
ごん:高校でも同じバンドだったんですけど、当時は素人だったから、ある程度「この人上手いんだろうな」とは思ってたけど、でもそれくらいで。逆に専門に入って、ほかのボーカルの人と演奏する機会があったときに、「麗ってすげえ上手かったんだな」って、あらためて実感しました。
れんぴ:僕は直感的なところに魅力を感じてて、表現と歌詞のリンクがあったり、声を揺らしたり、その時々の違いがめちゃめちゃ楽しいんですよ。
それが自然にすっと入ってきて、体の中でぞわぞわゾクゾクしてくる感じ。それがほかの人からは接種できない栄養なんです。ライブのときも「いつもと違うことしてる」みたいなのが楽しくて、こっちまで感情を揺さぶられるようなところが魅力的だなと思ってます。
―“貴方の恋人になりたい”も途中でメロを変えたって話でしたけど、セッションしてる中でどんどん歌メロが変わったりもするわけですか?
麗:そうですね。そのとき歌いたいものをレコーディングするので、だからライブになるとメロが変わったりします。そんなにド派手には変わらないですけど、遊びを加えるといいますか、そんな感じのイメージです。
空閑:みんなでセッションでつくるのはいろんなバンドがやってると思うんですけど、メロディーをつくる人って変えたがらない人が多いんですよ。でも麗は「全然変えるからいいよ」みたいな感じで、それがすげえなって。音楽が良くなれば別にいいみたいな感じで、それはほかの人にはないと思う。
れんぴ:いたずらも許してもらえるしね(笑)。いたずらしても、臨機応変に乗っかってくれる。
―麗さん的にはやっぱりその変化が楽しい?
麗:要は伴奏が変わるってことじゃないですか。でも伴奏が変わっても絶対にいいメロディーラインをつくれる自信があるので。結局曲は生まれるべくして生まれる気がするので、最初から決めちゃうんじゃなくて、もっとベストの形に近づけられるならその方が輝くと思うんです。
メロディーにこだわりすぎるのは良くないと思ってるし……自分は自由に生きてるので、だからみんなも自由にさせたいというか。言い方を変えれば、そういう自分を許してもらいたいから、相手のことも許さないとなって(笑)。
自身のルーツにも通じるアジアへの想い。「いっぱい聴いてくれてるから、いつかは迎えに行きたい」
―直近のリリースだと“PRIDE”が7月に出てますけど、まだ“貴方の恋人になりたい”のバズを受けて、みたいな感じではないですよね。
麗:アニメの曲なので結構前につくってます。リリースしたらまたすぐレコーディングで、あの頃は怒濤でした……。
―多分ここ2年ぐらいずっとそんな感じですよね(笑)。
麗:そうですね。なので、リリースが早いのも個性だと最近思ってきて(笑)。「早くつくらなきゃ」と思うとつらくなっちゃうけど、「こんなに早く出してる人ってあんまりいなくない? ってことは、ナンバーワン取れんじゃね?」みたいな感じの思考でいるので。
―でも一人が全部トラックをつくってるわけじゃなくて、4人のアイデアを混ぜあわせながらつくってるのにこのペースでやれてるのはすごい。
空閑:そうなんですよ。普通スタジオ2回で曲なんかできないからね。
麗:そうなんだ。
れんぴ:曲づくりに勢いがあるよね。乗ったら一発で最後までできちゃうとか。
―“PRIDE”のときはどうだったんですか?
麗:“PRIDE”はある程度テーマがあったので、参考曲とかを聴いて、まず弾き語りでやって……あれも結構早かったかな。弾き語りの時点で結構完成してたから、それに肉付けするだけというか、サビ前のキメをピアノとベースでやるのはそれこそ勢いでつけたりして。
れんぴ:しかもその発注の仕方が「なにか変なことしてよ」って。
麗:転調するので、「そのきっかけになるトリッキーなやつ2人でやってよ」って言って、ユニゾンしてもらいました。やっぱり遊びは捨てたくないというか、捨てたら個性がなくなっちゃう気もして。だからなるべくみんなに、限られた中でも自由にやってもらいたいなって。
―麗さんはもともとバイオリンやってて、これまでもバイオリンが入ってる曲があったり、“PRIDE”にはホーンとフルートが入ってますけど、こういう管弦のアレンジもバンドとしてやりたいことなのでしょうか? それともこれも遊びの延長?
麗:多分後者に近いです。もともといっぱい音数を入れたいとはそこまで考えてなかったんですけど、でもバイオリンが弾けるから、レコーディングでも入れることにして、その楽器を変えただけ、みたいな感じ。もし自分がバイオリンを弾いてなかったら、もしかしたら管弦じゃなくて、シンセとかだったかなと思うんですけど。
―でもそれも個性になってますよね。こういう4ピースのバンドで、それこそシンセが入るのはいくらでもあるけど。
麗:シンセだと結構リードを弾く感じですよね。シンプルにれんぴの向き不向きっていうか、ちゃんと弾く方が好きそう。
れんぴ:バッキングを弾いてる方が好き。
空閑:たまに「ピアノの上にもう一台シンセ置けばいいじゃん」って言うと、「嫌だ」って。
麗:シンセの音そんなに好きじゃないんじゃない?
れんぴ:シンセも好きっちゃ好きだけど、だったら打ち込みたいし、あとシンセ弾いちゃったらさ、和音のパーツがちょっと足りないだろうなって。
麗:みたいな感じでいつも結局やらないってなって、音源で入れるぐらいしかなくなる。キーボーディストというかピアニストみたいな感じの動きをするので、その個性を活かしてるというか。
―チョーキューメイのライブは音源とは異なる魅力があるから、ぜひ見てもらいたいですよね。12月24日にはワンマンが控えてるので、今はそこに向けて動いてる?
麗:その日は私の誕生日だから、「イベント盛りもりじゃん」みたいな。クリスマスイヴだし、誕生日だし、渋谷WWW初だし、盛り上がって勢いで決めたんですけど、そのときはまだ“貴方の恋人になりたい”がバズる前で、チケットが売り切れるか不安だったんです。でもTikTokを始めてから飛ぶように売れて、夏には売り切れてしまったので、今は次の準備もさせてもらってます。
―さらにその先のことで言うと、「来年からすぐに世界進出するぞ」みたいな感じではないと思うんですけど、将来的な展開についてはどう考えていますか?
麗:めちゃくちゃ考えてます。自分もごんもハーフなので、もともと言語の壁を越えるような音楽をしたいなと思ってたんですけど、思ったより早く届いたなっていう感じで。
もうちょっと年齢を重ねてからかなと勝手に思ってたんですよね。でも思ったより早くチョーキューメイに気づいてもらえたので、このチャンスを逃がさないように、私はTikTokなどで韓国語でも歌ったりして、そしたらInstagramとかもめっちゃ韓国語のコメントが増えて。
最終的には人って言葉とかあんまり関係ないと思ってるし、「世界」と言うとでかく感じるけど、意外と反応をもらえたりする。そういうことを体感できたおかげで、こうやって1個ずつやっていけば、そのうち韓国やタイにも行けるのかなって。いっぱい聴いてくれてるから、いつかは迎えに行きたい。いまはそんな気持ちですね。
- リリース情報
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最新デジタルシングル“PRIDE”が好評配信中。TVアニメ『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。』エンディングテーマ。
- イベント情報
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チョーキューメイ ワンマンライブ
『超新星は教えてくれる』(※SOLD OUT)
<公演概要>
日程 2023年12月24日(日)
開場 16:30 開演 17:00
会場 東京・渋谷WWW
その他、ライブ情報は下記「チョーキューメイ オフィシャルサイト」にてご確認ください。
- プロフィール
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- チョーキューメイ
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2020年梅雨ごろ結成の4人組バンド。2023年1月EP『LOVEの飽和水蒸気量』を発売。東名阪レコ発ツアーを大盛況のうちに終了。今春、1st アルバム『するどいささくれ』収録の“貴方の恋人になりたい”がTikTokから火がつき、日本のみならずアジアでバイラルヒット。YouTubeでのミュージックビデオ再生数は1,800万回超え、TikTokでの楽曲再生回数も10億回を超えるなど大ヒット中。2023年12月24日(日) に東京・渋谷WWWで行なわれるワンマンライブ『超新星は教えてくれる』は、開催4か月以上前にSOLD OUTとなるなど、大きな注目を浴びている。