8月に行われた国内最大級の都市型フェス『SUMMER SONIC 2023』(以下、サマソニ)。今年は『サマソニ』史上最速で東京、大阪会場ともに全券種が完売し、例年以上に注目度が高かった。ヘッドライナーにはBLUR、ケンドリック・ラマーなど大御所が名を連ねるなか、大きな注目を集めたのが初出演のNewJeansだ。
昨年デビューしたばかりの韓国発の5人組。2nd EP『Get Up』は収録曲すべてがSpotifyの米国デイリートップソングにチャートイン。初出演ながら東京会場のメインステージであるMARINE STAGE(キャパシティー約3万5000人)は入場規制となった。
彼女たちを含め、ステージを熱く盛り上げた計8組のアーティストが『サマソニ』東京会場内『Spotify Premium STUDIO』での公開収録に参加し、インタビューの様子が「New Music Wednesday」にアップされている。本記事ではK-POPライターのDJ泡沫に、NewJeansの公開収録でのコメントをピックアップしてもらいながら、垣間見えるメンバー個人の「音楽的嗜好」について話題を広げてレポートしてもらった。
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「何よりもSUMMER SONICのステージに立つことができて嬉しかった」——出演後、NewJeansが語ったこと
2022年にデビューするやいなや世界中で話題になり、リリースした楽曲が次々と世界の音源チャートを席巻している5人組ガールグループNewJeans。
今年の7月にリリースした2nd EP『Get Up』はアメリカBillboardチャートのアルバムチャートである「Billboard200」で1位を獲得し、楽曲チャートの「Hot 100」でも3つのタイトル曲(“Super Shy”“ETA”“Cool With You”)がチャートインした。8月にはアメリカの大型フェスである『Lollapalooza Chicago(以下、ロラパルーザ)』に出演し、全12曲のライブを披露。日本でも8月19、20日に開催された『SUMMER SONIC 2023』の東京公演に登場し、MARINE STAGEを沸かせた。
『サマソニ』東京会場内の『Spotify Premium STUDIO』にて収録された「New Music Wednesday[Music+Talk edition]」でのインタビューでは、日本での夏フェス初ステージとなった『サマソニ』出演の感想を楽しげに語ってくれた。
ヘリン:日本で初めてフェスに参加したんですが、本当に楽しくステージを終えたところです。本当にいい経験になりました。
ハニ:私たちいつもステージをするときは、ファンのみなさんの顔を見るようにしているんです。そうするとファンのみなさんがずっと笑顔でいてくれるので力をたくさんもらえますし、心が通じ合っているような感じがして、本当に嬉しい気持ちになるんです。
「『サマソニ』は以前から知っていましたか?」というパーソナリティの質問には、ミンジが日本語で「はいはいはい! 知っていました!」と答える場面も。「日本語を勉強しています」というコメントのとおり、ライブ中の日本語でのMCもスムーズに進行していた。
「日本でステージの合間に散歩したり遊びに行ったりできましたか? やってみたいことはありますか?」という問いに答えたのは、ヘイン。
ヘイン:日本に来てから散歩もして買い物もできたんですけど、私たちは今回『SUMMER SONIC』に参加するために来たので、なによりも『SUMMER SONIC』のステージに立つことができて、フェスの雰囲気を味わうことができて本当に嬉しかったです。
新人としては異例の規模のステージに立つ、彼女たちの胸の内
『サマソニ』の前に出演し、7万人がNewJeansの曲を合唱した『Lollapalooza』での体験についても、謙虚な答えが。
ヘリン:『Lollapalooza』でも本当に新しい楽しい経験をさせていただいたと思っていて、いろいろなことを感じましたし多くの学びがありました。『SUMMER SONIC』の公演でも本当にいい経験をさせていただいて、いろいろなことを学ぶことができたので、とても嬉しく思っています。
アメリカBillboardチャートのアルバムチャートで1位を取った2nd EP『Get Up』についても、日本語でミンジが率直な喜びが溢れ出たコメントを語った。
ミンジ:本当にびっくりしました。今回のアルバムはグローバルでもみなさんがとても愛してくれているみたいで、本当に嬉しいです。
『Lollapalooza』や『サマソニ』のマリンステージという、昨年デビューしたばかりの新人としては早くも規模の大きなステージを経験しているNewJeansだが、そのコメントはパフォーマンスをすることや、ファンと直接交流できるステージに立つことへの純粋な喜びの気持ちで溢れているようだ。
ビリー・アイリッシュのライブパフォーマンスから、彼女たちが学んだこと
『Lollapalooza』ではビリー・アイリッシュとNewJeansが一緒に撮った写真が話題になっていたが、何よりもメンバー全員が「彼女のライブを本当に見たい」と思っていたそう。ハニは歌手として、アーティストとして刺激を受けた体験を話してくれた。
ハニ:ビリー・アイリッシュのライブを直接見られたことは、とても貴重なことでした。どうすれば観客と心を通じ合えるのか、そしてどうすれば音楽を上手く表現できてもっとステージを楽しめるのかということをいろいろ学べました。
ダニエルは、子どものころからずっとインスピレーションを与えてくれる存在について、こう語った。
ダニエル:実は、子どもの頃から私に1番インスピレーションを与えてくれて助けてくれるのは実の姉なんですが、私にとって永遠のアーティストはビヨンセさんです。いつも私に大きなインスピレーションを与えてくれる存在で、子どもの頃からビヨンセさんの音楽をずっと聴いていました。
メンバー自身も楽曲制作に参加。彼女たちが最近ハマっている音楽は?
NewJeansといえば、これまではレーベルやプロデューサーなど、ビジネス面や制作面といった側面から音楽やパフォーマンスについても語られることが多かった。しかし、メンバー自身も1st EP『New Jeans』からまず曲を聴いて全員が歌詞を書き、曲に一番合う歌詞を選ぶというスタイルで楽曲の制作にも参加している。
現在までミンジは“Ditto”、ハニは“Hype Boy”“OMG”、ヘリンは“NewJeans”、ダニエルは“Attention”“Cool With You”“ASAP”“Super Shy”の作詞に参加している。
末っ子のヘインはクラシックなポップスが好みでジャズやボサノバも聴くそうだが、本インタビューでも「最近よく聴いている音楽は?」と聞かれて、こう答えていた。
ヘイン:最近ボサノバにハマっていて、アストラッド・ジルベルトさんの音楽をよく聴いています。
今年初めて参加した『Lollapalooza』や『サマソニ』といったライブステージでは、アレンジやジャンルが語られがちな楽曲陣をよりライブ向きのアコースティックや生バンドによるバージョンに置き換えて、パフォーマンスやボーカル面でも新たなチャレンジと魅力を見せてくれている。
今後、さらにメンバーたちそれぞれの音楽的な嗜好や指向なども垣間見せてくれそうな予感を感じさせるインタビューだった。
- プロフィール
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- NewJeans (にゅーじーんず)
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2022年7月、HYBE傘下の新レーベル「ADOR」よりデビューした韓国発のガールグループ。メンバーはミンジ、ハニ、ダニエル、ヘリン、ヘインの5人。K-POPアーティストとして最速で、Spotifyの累計ストリーミング再生回数10億回を達成。2023年7月に発売した2nd EP『Get Up』は初日でミリオンセラー、米ビルボードアルバムチャートで1位を記録した。