柴田聡子×吉開菜央 プレイリストを見せ合いながら音楽話に花が咲く

柴田聡子×吉開菜央 プレイリストを見せ合いながら音楽話に花が咲く

2021/06/24
インタビュー・テキスト
村尾泰郎
撮影:松永つぐみ 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)

左から:柴田聡子、吉開菜央

「Only You」コーナーで、ふたりの好みやルーツに迫る

―Spotifyには「Only You」というコーナーもあって、リスナーの再生履歴をもとにAIがリスナーの聴き方の特徴、例えば「あなたほど電子音楽とK-POPを行き来している人はいない」とか、そういう独特の傾向をもとにプレイリストをつくってくれるそうです。今回は、「Only You」コーナーのなかでもリスナーが特徴的に聴いている2000年代の曲を集めたプレイリストを見てみましょうか。

柴田聡子の「2000s Mix」プレイリストを聴く(Spotifyを開く

柴田:(プレイリストを見ながら)Kiroroが入ってるのは流石だなって思いますね。Kiroroはかなり好きなんですけど、Spotifyでは聴いたことはないので。

―ご主人さまの趣味を見抜いた? 柴田さんがKiroroのファンだっていうのは少し意外な感じもしますね。

柴田:曲がすごくいいんです。よく聴いてたころより、いまのほうが「すごい!」って思いますね。

吉開:『ちゅらさん』の主題歌(“Best Friend”)とか、学校の友達と替え歌を歌ってた。

柴田:そう、児童唱歌みたいな感じでも歌える清廉さがあるのに奥深いところがいいんですよ。

―吉開さんのプレイリストはどうですか?

吉開菜央の「2000s Mix」プレイリストを聴く(Spotifyを開く

柴田:お、B'z入ってるじゃん!

吉開:本当だ。“イチブトゼンブ”が入ってる。私、いちばん最初に好きになったミュージシャンがB'zなんですよ。それも超メジャーな金と銀のアルバム(1998年発売のベスト盤『Pleasure』『Treasure』)から。

柴田:みんな持ってるやつね。

吉開:あれが好きすぎて。あれを聴いて踊り始めたんだよ。

柴田: B'zで!? すごいね。

吉開:最初は歌いたかったのよ、稲葉さんみたいにカッコよく。でも、歌ってみたら超下手くそで、マジで才能ないわって思って、歌うかわりに稲葉さんがライブでやるみたいに踊り始めたら、それはうまくできるかもって思ったんだよね。

―何歳くらいのときですか?

吉開:小学5年生くらいです。それでクラシックバレエを始めたんですけど、ちょっと遅かったですね。やってる子は3歳くらいで始めてますから。それに私、体がずんぐりしてて。

柴田:ずんぐりしてないよ!

吉開:当時、当時(笑)。でも、稲葉さんの声を初めてヘッドフォンで聴いたときは打ち震えましたね。(お腹を押さえて)ここに「きたーっ!」て感じがありました。ヘッドフォンで稲葉さんの声を聴く、ということを覚えたときは、この辺(お腹)で聴いてた気がします。欲情させられたみたいな(笑)。

柴田:あー、若いときはそういう感覚も混じるもんね。

左から:吉開菜央、柴田聡子

「これからはガンガン、お気に入りを押して、Spotifyを育てよう!」(柴田)

―Spotifyは、吉開さんがB'zを好きって知ってるんですね。

吉開:『Pleasure』と『Treasure』にお気に入りをつけたんですけど、ちょっと新しいものをすすめてくれるんですね、リストの並び方も面白い。

冒頭のほうは本当によく聴いてるものが並んでいるけど、後半から「こういうのもどう?」っていう並びになってる。Tommy february6が入ってきてるのは嬉しいですね。そういえばすごく好きだったし。お気に入りをいろいろ押したから、私のことわかってきたのかもしれない。

―お気に入りはマメに押されているんですか?

吉開:電車に乗っているときとか時間があるときに、自分が好きなアーティストを思い出しては押してます。そのほうが自分の好きなものに巡り会えるんじゃないかと思って。ライクを押すことでSpotifyを育てるというか。

―「Spotifyを育てる」。たまごっちみたいでいいですね(笑)

柴田:それ、いい心がけだよ。

吉開:あと、そのアーティストに対しても「好きだよ」って言える感がちょっとあって。ただの数字にしかならないけど、お気に入りを押すことで気持ちも伝えられるのかなって。

左から:吉開菜央、柴田聡子

―お気に入りで愛の告白、いいですね。柴田さんは、押してます?

柴田:たまに、ですね(笑)。

吉開:じゃあ、けっこうレアだね。本当の「お気に入り」だね。

柴田:押す前にいろいろ考えちゃうんですよ。お気に入りを押しても、向こうが私のこと好きじゃなかったら変な感じするかなとか。だからSNSでも滅多に「いいね」は押せない。でも、Spotifyは名前が出ないから気にしないで押せそう。

―そしたら、これまで以上にいい音楽を教えてくれるかもしれないですね。

吉開:私はオラファーが好きでずっと聴いているんですけど、同じような感じで別のアーティストも聴きたいと思ったとき、これまで使っていた配信サービスだと、どういうふうに探せばいいのかわからなかったんです。

柴田:わかる!

吉開:Spotifyはそういうのをわかりやすく教えてくれるんですよね。私みたいに音楽のこと詳しく知らない人間にも。この前、すすめられたマックス・リヒター(イギリスの作曲家 / ピアニスト)とかも、すごくよかった。「四季」をコンテンポラリー風にアレンジしたやつなんだけど、血湧き肉躍る感じなんだよね。

―Spotifyはおすすめ上手なんですね。インターネットでAIにすすめられる時って、ちょっとトゥーマッチなときもありますが。

吉開:ありますね。なんかゴリゴリ買わせようとするような。

柴田:Spotifyはすすめ方にいやらしさがないよね。無理やり聴かせようとしないというか。

吉開:音楽のことも、音楽家のことも、すごい好きな人がやっているような気がします。じゃなきゃ、こんな面倒な機能をつけないと思うし。昔はAIにすすめられるのって嫌だったけど、最近はそんなに拒否するものではないのかなって思ってきたところもあって。

―ちゃんとつき合えば、いい友達になってくれるかもしれないですね。

柴田:ホント、そうですね。これからはガンガン、お気に入りを押して、私もSpotifyを育てよう!

左から:柴田聡子、吉開菜央

左から:柴田聡子、吉開菜央

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リリース情報

柴田聡子
『がんばれ!メロディー』(2LP)

2021年6月16日発売
価格:4,950円(税込)
PLP-7120

[SideA]
1. 結婚しました
2. ラッキーカラー
3. アニマルフィーリング

[SideB]
1. 佐野岬
2. 涙
3. いい人

[SideC]
1. すこやかさ
2. 心の中の猫
3. ワンコロメーター(ALBUM MIX)
4. 東京メロンウィーク

[SideD]
1. ジョイフル・コメリ・ホーマック
2. セパタクローの奥義(ALBUM MIX)
3. 捧げます

プロフィール

柴田聡子(しばた さとこ)

1986年札幌市生まれ。恩師の助言により2010年より音楽活動を開始。最新作『がんばれ!メロディー』まで、5枚のオリジナルアルバムをリリースしている。去る10月にはバンド編成「柴田聡子inFIRE」による、初のバンドライブ盤『SATOKO SHIBATA TOUR 2019 “GANBARE! MELODY” FINAL at LIQUIDROOM』をリリースした。また、2016年に上梓した初の詩集『さばーく』では現代詩の新人賞を受賞。雑誌『文學界』でコラムを連載しており、歌詞にとどまらない独特な言葉の力が注目を集めている。2017年にはNHKのドラマ『許さないという暴力について考えろ』に主人公の姉役として出演するなど、その表現は形態を選ばない。2020年7月3日、4曲入りEP『スロー・イン』をリリース。

吉開菜央(よしがい なお)

映像作家・ダンサー。生き物ならではの身体的な感覚・現象を素材に、「見て、聴く」ことに集中する時間を映画にしている。2015年に監督した映画『ほったまるびより』が文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門新人賞を受賞。近年の主な作品は『風にのるはなし』『静坐社』『みずのきれいな湖に』。いずれも国内外の映画祭や展覧会で上映されている。MVの監督・振付・出演も行い、至福の健康動画を配信する[White Leotards]のリーダーでもある。

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