柴田聡子×吉開菜央 プレイリストを見せ合いながら音楽話に花が咲く

柴田聡子×吉開菜央 プレイリストを見せ合いながら音楽話に花が咲く

インタビュー・テキスト
村尾泰郎
撮影:松永つぐみ 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)

どんな音楽を、どんなふうに聴いているのか。プレイリストから、その人の素顔が垣間見えることがある。Spotifyの「メイド・フォー・ユー」コーナーには、リスナーの再生履歴やリスニング傾向、好みの似ている他のリスナーの再生履歴をもとにして、その人だけにパーソナライズされたさまざまなプレイリストが並びます。データから導かれるプレイリストだけに、そこには思いがけない発見もある。

今回、シンガーソングライターの柴田聡子とダンサー / 映像作家の吉開菜央が、お互いの「メイド・フォー・ユー」をチェックしながら対談を行った。東京芸術大学の大学院で知り合ったふたりは、それぞれ別の分野で活躍しながら、コラボレートもしてきた古くからの友人だ。柴田のK-POPアイドルへの熱い想い、吉開がダンスを始めたきっかけなど、プレイリストを通じて音楽話に花が咲いた。

柴田聡子(しばた さとこ)<br>1986年札幌市生まれ。恩師の助言により2010年より音楽活動を開始。最新作『がんばれ!メロディー』まで、5枚のオリジナルアルバムをリリースしている。
柴田聡子(しばた さとこ)
1986年札幌市生まれ。恩師の助言により2010年より音楽活動を開始。最新作『がんばれ!メロディー』まで、5枚のオリジナルアルバムをリリースしている。

吉開菜央(よしがい なお)<br>映像作家・ダンサー。生き物ならではの身体的な感覚・現象を素材に、「見て、聴く」ことに集中する時間を映画にしている。
吉開菜央(よしがい なお)
映像作家・ダンサー。生き物ならではの身体的な感覚・現象を素材に、「見て、聴く」ことに集中する時間を映画にしている。

じつは、Spotifyを使い始めたばかりのふたり。細やかな心遣いがお気に入り

―柴田さんも吉開さんもSpotifyを始められたばかりだとか。何かきっかけがあったんですか?

柴田:すごく現実的な話なんですけど、Spotifyでプレイリストをつくるという仕事があったんです。それで必要に駆られて(笑)。それまでは別の配信サービスを使ってたんですけど、Spotifyを試してみたらめっちゃ使いやすくて、そのまま乗り換えちゃいました。

―どういうところがよかったんですか?

柴田:曲を止めたり、変えたりするときにブツッと切れずにフェードアウトしてくれるのが気持ちよくて。

吉開:あー! わかる。

柴田:その細やかな心遣いがいいよね。あと、アーティストによっては、曲を再生しているときに背景に8秒くらいの映像(Canvas)が出てて、あれが最高! 見てて楽しいんですよ。

左から:吉開菜央、柴田聡子

―ちょっとした気配りが響いたわけですね。吉開さんはどういう経緯でSpotifyを?

吉開:私は旦那さんに「めちゃくちゃいいから!」ってすすめられたんです。特におすすめ機能がかなりよいからと言われて、始めてみました。

―使ってみていかがでした?

吉開:音楽と向き合う時間が増えましたね。初めてプレイリストをつくってみたんですけど、すごく簡単にできたし、楽しかったです。

―人生初のプレイリスト! テーマは?

吉開:ゆったりした気持ちになるやつ(笑)。

柴田:いいねー!(笑)。

―ここで拝見してもいいですか?

吉開:はい。(プレイリストをみんなで見ながら)……なんか恥ずかしいですね、こうやって自分に好みを見られるのって(笑)。

柴田:プレイリストのタイトルに「ゆったり」って書いてある(笑)。

吉開が作成したプレイリスト「ゆったり」を聴く(Spotifyを開く

吉開:私、いま、オラファー・アーナルズがすごく好きで、ここ3か月くらいずっと聴いてるんです。

柴田:どんな人?

吉開:「コンテポラリークラシック」みたいな感じ。でも、もともとはハードコアのドラムをやってた人らしいけど。

柴田:へー。

吉開:手嶌葵さんとかもよく聴くよ。「夜中にあの声を聴くと、肩こりがとれるね」って旦那さんとふたりで話してる。

柴田:めっちゃいいじゃん! フワ~ってなるもんね。

吉開:なるね! 声が好きな人が結構多い。あと弦楽器系がすごく好き。

―オラファー・アーナルズ、ビョーク、ジェイムズ・ブレイクなど、アーティスティックで洗練されたサウンドのミュージシャンが多いですね。なかでも、FKAツイッグスの曲がいちばん多い。

吉開:FKAツイッグス、大好きなんです。『cellophone』(2019年)とか『home with you』(2019年)あたりはかなり浸れますね。

―あまり知られていないアーティストもよく聴かれていますが、アーティスト情報はどこから仕入れるんですか?

吉開:最近はYouTubeが多い気がします。気になった映像をクリックしたりして。

柴田:AIの導きで。

吉開:まんまと(笑)。「これ好きだわ」って。

Page 1
次へ

リリース情報

柴田聡子
『がんばれ!メロディー』(2LP)

2021年6月16日発売
価格:4,950円(税込)
PLP-7120

[SideA]
1. 結婚しました
2. ラッキーカラー
3. アニマルフィーリング

[SideB]
1. 佐野岬
2. 涙
3. いい人

[SideC]
1. すこやかさ
2. 心の中の猫
3. ワンコロメーター(ALBUM MIX)
4. 東京メロンウィーク

[SideD]
1. ジョイフル・コメリ・ホーマック
2. セパタクローの奥義(ALBUM MIX)
3. 捧げます

プロフィール

柴田聡子(しばた さとこ)

1986年札幌市生まれ。恩師の助言により2010年より音楽活動を開始。最新作『がんばれ!メロディー』まで、5枚のオリジナルアルバムをリリースしている。去る10月にはバンド編成「柴田聡子inFIRE」による、初のバンドライブ盤『SATOKO SHIBATA TOUR 2019 “GANBARE! MELODY” FINAL at LIQUIDROOM』をリリースした。また、2016年に上梓した初の詩集『さばーく』では現代詩の新人賞を受賞。雑誌『文學界』でコラムを連載しており、歌詞にとどまらない独特な言葉の力が注目を集めている。2017年にはNHKのドラマ『許さないという暴力について考えろ』に主人公の姉役として出演するなど、その表現は形態を選ばない。2020年7月3日、4曲入りEP『スロー・イン』をリリース。

吉開菜央(よしがい なお)

映像作家・ダンサー。生き物ならではの身体的な感覚・現象を素材に、「見て、聴く」ことに集中する時間を映画にしている。2015年に監督した映画『ほったまるびより』が文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門新人賞を受賞。近年の主な作品は『風にのるはなし』『静坐社』『みずのきれいな湖に』。いずれも国内外の映画祭や展覧会で上映されている。MVの監督・振付・出演も行い、至福の健康動画を配信する[White Leotards]のリーダーでもある。

Category カテゴリー

Latest Articles 最新の記事

What's "Kompass" ? コンパスとは

「Kompass」は、ネットメディア黎明期よりカルチャー情報を紹介してきたCINRA.NETと、音楽ストリーミングサービスの代表格Spotifyが共同で立ち上げた音楽ガイドマガジンです。ストリーミングサービスの登場によって、膨大な音楽ライブラリにアクセスできるようになった現代。音楽の大海原に漕ぎだす音楽ファンが、音楽を主体的に楽しみ、人生の1曲に出会うガイドになるようなメディアを目指し、リスニング体験を交えながら音楽の面白さを紹介しています。