大橋トリオ「Works」を聴く サウンドを創造する熱意に見る作家性

大橋トリオ「Works」を聴く サウンドを創造する熱意に見る作家性

大橋トリオ『This is music too』
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編集:久野剛士(CINRA.NET編集部)
2020/02/18
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楽曲のみならず、サウンドを創造する。大橋トリオの作家性

「うまい歌」というよりも「いい声」。この対比はたんにボーカリストとしての大橋の特徴をあらわすのみならず、もっと広い意味での作家性に通じる。大橋が受けた過去のインタビューを紐解いてみると、こんな発言がある。「その中でも音質をすごく大事にしていますね。音質がいいとグルーヴがよくなるので。メロディはその次。だから音質はかなり上です」(『音楽ナタリー』「大橋トリオ「STEREO」インタビュー「音楽ってこういうことでいいのかな」意識変化の中で踏み出した11年目の第一歩」より)

音楽、ことポップミュージックがほとんど「録音芸術」と等しい現在において、この感覚はとてもまっとうなものだ。ほかのインタビューでは、レコーディングというプロセスを重視するだけではなく、サウンドそれ自体が創作の基礎にあることが伺える。

たとえばある音楽が「ジャズっぽい」という場合、どの楽器でどんなメロディーを奏で、どんなリズムに乗せて……という編曲と同じくらい、レコーディングの質がものをいう。大橋はジャンルに特有の録音に対する美意識(ジャズであれば、空間の持つ質感までを捉えた、アンビエンス多めの録り方、とか)を的確に取り入れていると思う。野宮真貴による“悲しい歌”のセルフカバーや、平井堅による“切手のないおくりもの”のカバーは耳を惹きつける。特に後者はノンシャランとしたイントロの雰囲気がたまらない。

身構えずとも聴き手にしっかりと浸透してゆく良質なポップスが並ぶ大橋の「Works」を聴くと、このミュージシャンが持つサウンドへのこだわり――「いい声」に「音質」――が改めて感じられるだろう。2月19日にはニューアルバム『This is music too』をリリースする大橋トリオ。願わくばより高音質でも楽しんでみたいところだ。

大橋トリオアーティスト写真
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リリース情報

大橋トリオ『This is music too』
大橋トリオ
『This is music too』(配信)

2020年2月19日(水)配信

1. LOTUS
2. ポラリス
3. Let us go
4. 夕暮のセレナーデ
5. Ways and scenes
6. LIFE
7. 青月浮く海
8. Lady (2020)
9. quiet storm

大橋トリオ
『This is music too』初回生産限定盤(CD+DVD)

2020年2月19日(水)発売
価格:5,830円(税込)
RZCB-87019/B

<CD>
1. LOTUS
2. ポラリス
3. Let us go
4. 夕暮のセレナーデ
5. Ways and scenes
6. LIFE
7. 青月浮く海
8. Lady (2020)
9. quiet storm

<DVD>
ohashiTrio & THE PRETAPORTERS YEAR END PARTY LIVE 2019 at NHK Osaka Hall 2019.12.11
1. The Music Around Me
2. 真夜中のメリーゴーランド
3. sing sing
4. MAGIC
5. kite
6. EMERALD
7. スノーマン
8. アネモネが鳴いた
9. THUNDERBIRD
10. Be there
11. 東京ピエロ
12. りんごの木
13. タイムマシーン
14. Bing Bang
15. Lady

大橋トリオ
『This is music too』初回生産限定盤(CD+Blu-ray)

2020年2月19日(水)発売
価格:6,050円(税込)
RZCB-87020/B

<CD>
1. LOTUS
2. ポラリス
3. Let us go
4. 夕暮のセレナーデ
5. Ways and scenes
6. LIFE
7. 青月浮く海
8. Lady (2020)
9. quiet storm

<Blu-ray>
ohashiTrio & THE PRETAPORTERS YEAR END PARTY LIVE 2019 at NHK Osaka Hall 2019.12.11
1. The Music Around Me
2. 真夜中のメリーゴーランド
3. sing sing
4. MAGIC
5. kite
6. EMERALD
7. スノーマン
8. アネモネが鳴いた
9. THUNDERBIRD
10. Be there
11. 東京ピエロ
12. りんごの木
13. タイムマシーン
14. Bing Bang
15. Lady

大橋トリオ
『This is music too』通常盤(CD)

2020年2月19日(水)発売
価格:3,300円(税込)
RZCB-87021

1. LOTUS
2. ポラリス
3. Let us go
4. 夕暮のセレナーデ
5. Ways and scenes
6. LIFE
7. 青月浮く海
8. Lady (2020)
9. quiet storm

イベント情報

『ohashiTrio HALL TOUR 2020』

2020年3月12日(木)
会場:神奈川県 関内ホール

2020年3月14日(土)
会場:石川県 金沢市文化ホール

2020年3月20日(金・祝)
会場:北海道 札幌市教育文化会館

2020年3月27日(金)
会場:兵庫県 神戸文化ホール中ホール

2020年4月2日(木)
会場:鹿児島県 かごしま県民交流センター 県民ホール

2020年4月4日(土)
会場:福岡県 福岡市民会館

2020年4月10日(金)
会場:岡山県 倉敷市芸文館

2020年4月12日(日)
会場:愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

2020年4月18日(土)
会場:宮城県 若林区文化センター

2020年4月24日(金)
会場:大阪府 NHK大阪ホール

2020年4月29日(水・祝)
会場:東京都 NHKホール

チケット:全席指定7,000円(税込)

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