たなかみさき×長田杏奈が語る 自分の価値を信じるための筋トレ

国際女性デーの2021年3月8日、Spotifyがプラットフォーム上に1つのスペースを立ち上げた。「EQUAL(イコール)」と呼ばれるその場所では、女性アーティストの作品や、女性が出演・制作するポッドキャストが紹介されている。また同スペースの発足をきっかけに、今後、オーディオ業界におけるジェンダーギャップ解消に向けた助成金を提供していくことも発表された。

このスペースが発足した背景には、アメリカのアネンバーグ財団とSpotifyが協力して行なった調査の結果がある。そこには、配信中のポッドキャストにおいて女性プレイヤーが全体の20%に満たないなど、音楽業界において、活躍している女性がいまだ少ないという事実が記されていた。

現在の社会のそこかしこには、悲しいかな、「EQUAL」とはいいがたい状況があふれている。いびつなパワーバランスや、それを助長する社会構造を手直しするため前進しようとするとき、私たちはどのようなことから考え、何を大切にしていくべきだろうか。

ポッドキャスト番組『長田杏奈のなんかなんかコスメ』を配信する美容ライターの長田杏奈と、「深夜の保健室」がテーマのラジオ&ポッドキャスト『MIDNIGHT CHIME』のナビゲーターをつとめるイラストレーターのたなかみさきとともに話し合った。

なぜポッドキャストには女性プレイヤーが少ない? 「当たり前」に存在している性差別

―ポッドキャストの女性プレイヤーが少ない状況を受け、このたびSpotifyが「EQUAL」という場所を立ち上げたわけですが、ポッドキャストでご自身の番組を持つおふたりは、テレビやラジオなどさまざまなメディアにおいて、女性がホストを務めるプログラムが少ないことについてどのように思われますか?

「EQUAL」内で4月28日に公開された新たなプレイリスト。カバー写真はCHAI(Spotifyを開く

長田:私も含め、この国で生まれ育った人は見慣れちゃっていると思うのですが、以前スウェーデンに住んでいる翻訳家の方とお話ししたら、日本のテレビ番組で男性のメインキャスターに女性のアシスタントがつく構図が異様に見えると言っていました。

あとは日本に限らず、女性が表現することに対して「自己顕示欲」とか「自意識過剰」みたいなレッテルが貼られて冷笑されやすい状況があると思います。だから、人前で喋ることへのハードルも高くて、ポッドキャストの女性プレイヤーが少ないのかなって。

長田杏奈(おさだ あんな)
ライター。美容をメインに、フェムケアについての執筆やインタビュー記事も手がける。趣味は植物栽培。著書に『美容は自尊心の筋トレ』(Pヴァイン)、責任編集に『エトセトラ VOL.3 私の私による私のための身体』(エトセトラブックス)。

―女性が表現を行う場合、内容以前のハードルがあるのではないかということですね。

たなか:現状は女性が表立って何か発言しようとすると、女性というだけで特別な意味を持たされてしまったりしますよね。

日常生活の中でも、私がパートナーと一緒に飲みに行ったときに、お店の人が男性であるパートナーの職業しか聞いてこなかったりすると、そもそもの発言権が与えられてないように感じます。ナチュラルに差別されてるなと思って、そういう扱いを受けるたびにお酒を飲んで怒り狂ってます。

たなかみさき
1992年生まれフリーランスのイラストレーター。軽やかかつ叙情的な作品が特徴。J-WAVE『MIDNIGHT CHIME』のラジオ&ポッドキャストナビゲーターとしても活動。

長田:とある雑誌で性差別についてのアンケートをとったときに、9割の女性が「性差別は存在しないと思う」と答えたんですって。でもそれって、その人たちが実際に性差別に直面していないという意味じゃないと思うんです。

差別的な状況が当たり前になっていたり、本当は社会の問題であるはずのことが個人の努力や才能や運の問題に置き換えられてしまったりしていて、自分でもそのことに気づけていないんじゃないかなって。

―「性差別は存在しないと思う」と答えた9割の人たちに、どうすればそうした現状に目を向けてもらえると思いますか?

長田:私が考えたのは、まずは「あなたがいる組織やコミュニティーの、トップにいる人と最も困っている人に目を向けてみてください」ってことです。

たとえば意思決定をしていたり、お金をいっぱいもらっていたりするのは役職についている男性で、不安定な雇用環境ややりがい搾取的な低賃金で大変な思いをしているのは女性である場合が多くないですか? と。まずは自分たちのいる場所を見つめてみることで、気づけることもあるのかなと思います。

たなか:差別しない人っていないと思うんです。人はすべてを理解しあえないし、本当には自分の気持ちしかわからない。生物学的にどうしても男性のほうが力持ちだとか、生まれ育った家の環境とか、自分ではどうしようもできない先天的な違いもありますし。

でもだからこそ、優位に立っている側の人が弱い立場にある人のことを考えるのは大切だし、立場にかかわらず、人の話をたくさん聞いたり、いろんな人と話したりしてどこまで気づけるかが重要だなと思います。

長田:本当にそうですね。そういう意味でもポッドキャストやラジオで、いろんな人のとりとめのない話を聞くのはすごくいいのかも。

あと「ご機嫌」とか「ポジティブ」とか「いつも笑顔」みたいなことが、女性の「モテ」や「愛され」の条件とされてきたのも足を引っ張っているなと思っています。

女性が困っていることや辛いことを伝えると「愚痴」とか「感情的で怖い」「ネガティブを引き寄せちゃうよ」などと蓋をされがちで、怒りや悲しみや自分が直面している課題や自分の感情をシェアすることにハードルの高さがあると思うんです。

あとは、「人様に迷惑をかけるな」と言われて育った現代人特有の、誰かを助けたり甘えさせてあげることはできるけど、誰かに甘えたり助けてもらったりすることは難しいメンタリティーも足かせになっているのかも。すぐに「オチは?」って言われて、脈略のないゆるいトークがしづらかったり……。

不平等な現状があるからこそ「わきまえるマジョリティー」であれ

―「EQUAL(平等)」な状態について考えるとき、長田さんがほかに気になられている課題はありますか。

長田:コロナ禍のなかで、DVや性暴力、望まない妊娠が増えていて、そうしたリスクを女性が不平等に負うことが多い現状について、すごく気になっています。

そもそも法律や制度をつくる場所に、女性の気持ちや体のことをわかる人が少なくて。意思決定をする場所のジェンダー不均衡のツケが、立場の弱い人たちに回っていることにすごくぞわぞわしてしまって。

長田は友人と共に「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」短縮ダイヤルや「DV相談ナビダイヤル」の非公式ステッカーを作成・配布している。

―そうした状況を変えようとするとき、クオータ制(議員や役員の一定数を女性と定める制度)のような考え方は重要になってくると思うのですが、まだまだ実際に導入されているところは少ない印象です。

長田:不均衡是正のために数の平等は大切だと思います。ただしそれはゴールではなくて、あくまで糸口にすぎないんですよね。そこでやっとスタート地点に立つというか。

私自身は、シスジェンダーで、ヘテロセクシュアルで、日本国籍があって……と、マジョリティーの立場であることも多いと思うんです。そういう場合に忘れたくないのは、以前にジェンダークィアの友達がぼやいていた「マジョリティーはわきまえてよ」という言葉で。「わきまえるマジョリティー」として当事者の声を聞いたり、マイクや席を譲ることが大事だと思ってます。

「受け入れてもらえる」安心感をもたらす、奥まった部屋の音声メディア

―おふたりの番組についても伺っていけたらと思うのですが、まずたなかさんは2019年からラジオを始められたのですよね。

たなか:そうですね。自分の番組を始める前から、ラジオにゲストで呼ばれる機会は多かったんですけど、当時の自分っていま思うと結構イケイケで「誰にも負けないぞ!」みたいなモードだったんです。

たなかが「戦いの合図」というキャプションとともにInstagramに投稿したイラスト

長田:へええ。

たなか:男の人に負けたくない気持ちが強くて、彼らに消費されないために、逆に消費してやろうとしていました。力に力で立ち向かおうとする、間違ったやり方をしていたんです。それがその後、だんだん穏やかになっていって。

―どうして変わっていったんですか?

たなか:私のことを大切にしてくれるパートナーができたり、女友達と一緒に暮らしたりしたこともあって、ひとりの人とじっくり話す機会が増えたんです。そうするうちに、人や自分の繊細な気持ちに気がつけるようになりました。

さらにラジオを始めてからは、リスナーの方からいろいろなお悩みを相談されるようになって。まだまだ勉強中なので、解決に向かうようないいアドバイスができているかわからないですけど、いろんな人の悩みを自分のなかに吸収することによって、さまざまな感情の動きに気づけるようになったかなと思います。

たなかみさきの『MIDNIGHT CHIME』イメージビジュアル
たなかみさきの『MIDNIGHT CHIME』イメージビジュアル(Spofityで聴く

―なるほど、素敵な変化ですね。長田さんはどうしてポッドキャストを始めようと思ったんですか?

長田:まず、私は話すことがあんまり得意じゃないので、練習したかったんです。自分の気持ちや考えていることを文章では伝えられるんだけど、話すとなると、上手くいかなくて。いちおう口にはしてみるけれど、話しながら既に伝えることを諦めているような感覚があったんです。

あとはライターという職業柄、「書く」となるとSNSの投稿ひとつでも「ちゃんとしなきゃ」という気持ちになってしまうんですが、喋ることならどうせ下手だから、自分に期待せず肩の力を抜いて楽しめるかなと思って。

―実際にやってみていかがでしたか?

長田:私って文章だけだと、すごく強い人だと思われるみたいなんですけど。音声要素が加わることによって、書いているものの印象もまろやかになって、受け入れてもらいやすくなったような気がします。

あとは人って、ある程度自分が求めている人の話じゃないと聞くことができないと思うんです。生の声を聞くって、文字を読むよりも生理的な感覚に関わってくると思うから。

だからわざわざ私の話を聞きにきてくれる人がいることに安心感を持てたし、世界に対する信頼感が少し増した気がします。

『長田杏奈のなんかなんかコスメ』を聴く(Spotifyを開く

たなか:すごくわかります。声の仕事って生理的な影響がすごく出るんですよね。だから私も番組の最初に「今日は調子悪いです」とか「ぼーっとしてます」と言うようにしてるんです。そういう不確かな部分まで含め、受け入れてくれる味方が増えるのは、ありがたく感じますよね。

それとじつは私は、自分の好きなことについて話をするのがすごく苦手で。たぶん昔、好きなものを馬鹿にされた経験があるからなんですが、好きなものの話をするときに、ちょっと泣いちゃうくらいだったんです。

でもラジオやポッドキャストは、少しずつ自分が好きなものの話を安心して話せる場所になっていって。

長田:安心して話せる場所という感覚わかります。すぐにシェアされない安全性を感じるからか、SNSではしづらい話もしやすい。

たとえばまだまだオープンにしづらいけど実は大切なセクシャルプレジャーの話なんかも、ポッドキャストなら話して大丈夫かなって思える。「慌てて音量下げました」ってDMが来たりしたけど。

ポッドキャストは「誰でもいらっしゃいませ~!」という居間のような空間じゃなくて、廊下の奥まったところにある、知る人ぞ知る隠し部屋みたいな感じがします。

テンプレート的な価値に抗う、たなかみさきのいくつかの実践

長田:たなかさんのラジオに寄せられる悩みは、どんなものが多いんですか?

たなか:よく見た目や自分の立場についてのお悩みを送っていただくんですが、紐解いてみると、社会のなかで「こうあるべき」と押しつけられた理想像に苦しめられている方がとても多いです。

でもやっぱり社会がつくりあげたイメージってとても大きなものだから、私も一歩間違えると、そのなかに飲み込まれそうな瞬間があるんです。

―たとえばどういったときですか?

たなか:ラジオをやっているときに、いかにもみんなの思い描く「ナビゲーターっぽい」話し方をしそうになっちゃったりとか(笑)。

一同:(笑)

たなか:だからなるべく、そういったテンプレート的な価値観に慣れてしまわないように心掛けています。

ラジオブースでのたなか

長田:たなかさんがラジオの冒頭で「今日は調子悪いです」とオープンにするのも、テンプレを崩すことにつながりますよね。

ラジオやメディアに出ている人って毎日安定感のあるブレない存在のように思ってしまうけれど、本来はひとりの人間だし、心身のゆらぎを共有してもらえるというのは、生の感じが伝わってきて、すごく素敵です。

たなか:「今日生理でめっちゃ辛いです」みたいなことも言います。よく編集で切られるんですけど(笑)。

長田:最高なのに! どうか切らないで~。

―これまであまり公にされてこなかった事柄が話されることで、テンプレート的な価値観が変わっていくことってありますよね。そうした意味で、たなかさんが最近脇毛のある女性のイラストを描いていたのが印象的でした。

たなかが2021年3月に投稿したイラスト

たなか:最近自分が体毛を生やしていることもあって、女性のアンダーヘアや脇毛を割と描くようにしているんです。

たとえばアンダーヘアがないほうが生理が快適だったり、脱毛したほうが自分にとって心地よい場合もあると思うんです。だけど、「脱毛したことできれいになった」みたいな画一的な広告は早くなくならないかなと思います。

長田:わかる~。女の嗜みみたいな文脈には抵抗があります。

たなか:広告ってまだまだテンプレートを上塗りするようなものが多いですよね。だから最近はそこに加担してしまわないように、いただいた仕事でも自分が企画から関われるかどうかを聞くようにしています。

世間に求められているイラストと、自分が挑戦したいイラストを仕事で両立することはすごく難しくて、いまはそれが課題なんですけど。

「何もなし得ていない」と不安なあなたへ。いざとなったらおにぎり屋をひらこう

長田:私は最近、大人の女性から「自分は何もなし遂げていない」という不安の言葉を受け取ることがすごく多いんです。頑張って生きてきた過程を、自分で認めてあげられていなくて。

それは周囲から「結婚まだなの?」とか「ふたり目の子供は?」とか、年齢に応じて通知表をつけられるみたいに圧をかけられたり、レッテルを貼られたりする問題とも通じていると思います。

わかりやすい何かを成し遂げないといけないのかというと、私は全然そうじゃないと思うんだけど……たなかさんだったらなんて答えます?

たなか:うーん……。「何もなし得ていない自分が不安」っていう気持ちもすごくわかるんですよね。フリーランスの友達からそういう声を聞くこともあります。そういうときに私が最近友達と話したのは「いざとなったらおにぎり屋をやろう」ってことです。

長田:え~!

たなか:いまの仕事で出世することにとらわれず、好きなもので食べていこう、ほら、たしかおにぎり大好きだったよね? って。時間は朝から夕方で、虎ノ門みたいなオフィス街にオープンして……とか。決しておにぎり屋が楽な仕事って思っているわけではなく「もしも好きなもの屋になったら」という妄想の話を2人でしました。

長田:そんなふうに言われたら、すごく元気がでると思う。B案でもC案でもない、予測不能なZ案を提案してもらえるの、目先が変わっていいですね。

表面的な価値に流されないために。自分の価値を信じるための「筋トレ」

―「何かをなし遂げた」というとき、SNSのフォロワー数のように数値化できる実績や、社会的な地位があることを指すのかもしれないですが、それだけでは表せない価値や魅力もあると思います。けれども表面的なデータだけでジャッジされるようなことが続くと「なし遂げていない」ことに不安になってしまいますよね。

長田:ライターでいうと、たとえフォロワー数が多くなくても素晴らしい仕事ぶりの人や最高の文章を書いてる人ってたくさんいるんですよね。その人たちはわかりやすくバズったりしないかもしれないけれど、かけがえのないことをやっているし、見ている人はちゃんといるんです。

企業の論理のなかでは通じないこともたくさんあるし、資本主義の社会では難しいかもしれないけれど、価値は数字や成果に現れるとは限らないということを信じたいですね。なんでも数字で計られてたまるか、と。

数値化したものに惑わされすぎない「自分のためのメディア」としてInstagramを保つため、長田はアクセス数が稼げるメイク情報の投稿をあえて義務化せず、自分が夢中になっている花の写真などを気の向くままに投稿しているのだという。

たなか:フォロワー数や知名度だけを見て依頼してくださる仕事って、何となくわかるんです。だから私は、そういう心ないオファーを拒否し続けることをすごく意識しています。

生活のことを考えると、ときにはやりたくない仕事も受けなきゃいけなかったりしますけど、人のことを長い目で見ていないオファーはやっぱり辛いです。

Instagramに投稿されたたなかのイラスト

たなか:あと「やらない」ってことに関連して言うと、面白くない話で笑わないことも最近意識していて。私は結構いつもへらへらしちゃうんですけど、この前、冗談で自分が少しけなされている場面で「今日は笑わないで通してみよう」と思ってやってみたら、その場にいた友達から「ごめん、言いすぎた」って電話がかかってきて。

長田:おお~。

たなか:「やらない」って決めたらちゃんと伝わるんだと思いました。「やらない」練習をしてみたり、安心できる場所でとりとめのないことを話したり、自分の好きなものを肯定してあげたり……それってどれも長田さんがよくおっしゃる「筋トレ」だよなって。私、この言葉がすごく好きで。

長田:わーい、うれしい! 自分では忘れてたけど(笑)、本当にそうだと思う。

長田の著書『美容は自尊心の筋トレ』書影。「モテるためにはこうあるべき」など、凝り固まった固定概念をストレッチするように少しずつほぐしながら、自尊心を鍛えていく「筋トレ」について綴られている。

たなか:「筋トレ」を重ねるうちに自分に価値があると思えるようになると、不当な扱いを受けたときにおかしいと思えたり、身の回りにも目を向ける余裕が出てきて、人の繊細な気持ちの機微などいろいろなことに気づけるようになるのかなと思います。

衣が大きい天ぷらよりも、素揚げのほうが素敵だよ

―「筋トレ」をすることで、社会から押し付けられた「こうあるべき」という価値観に振り回されない体幹を鍛えていけたらいいですよね。

たなか:「このよさは私にしかわからない」という自分だけの宝物みたいなものをひとつでも見つけられるといいですよね。たとえば「この人全然モテないけど私はすごく好き」とかね。多数決じゃない自分だけの基準を持っていると心強いなと思います。

「桜だけが春ではないし」というキャプションとともに投稿されたイラスト。たなかは「Instagramは完全に自分のためにやる」と決めているそう。

長田:自分の価値を信じられていないと、わかりやすい実績や数値で認めてほしくなると思うんです。たとえまだまだ努力が必要だとしても、根本のところで自分に対して「オッケーだよ」って思えていたら、それが最後の砦になって、いざというときに自分を売り渡さなくてすむんじゃないかな。

あとこれは雑談ですけど、私はプロフィールがつらつら長い人や名刺の肩書きがオラオラいかめしい人は、自分を大きく見せようとしている感じがして、あまり信用できない(笑)。

たなか:わかります、ちっちゃいならちっちゃいでいいのに! って。天ぷらとかもそんな感じですよね。

長田:天ぷら?

たなか:海老はちっちゃいのに、衣がすごい大きいみたいな(笑)。

長田:ああ~!(笑) 海老そのままの大きさでいいんやでってことですね。

―なんなら素揚げでいいよ、っていう。

長田:私が格好いいと思うのは、素揚げで登場できる人です。ポッドキャストのような奥まった部屋なら、そうやって自分のありのままの姿を肯定できるようになるまでの練習がしやすいのかなと思います。素揚げの筋トレ。

番組情報
『長田杏奈のなんかなんかコスメ』

「美容は自尊心の筋トレ」をモットーとする美容ライターが、気になるコスメについて、口癖の「なんか」と共に紹介。ポッドキャストと連動したニュースレター「なんかなんか通信」も配信中。

『MIDNIGHT CHIME』

東京のFMラジオ局J-WAVE(81.3FM)で毎週月曜26:00~放送中のラジオ番組。ゲストと共に恋や仕事、家族、性の話題について語りあうほか、リスナーの皆さんの悩みにたなかがイラストで答える企画も。

プロフィール
長田杏奈 (おさだ あんな)

ライター。美容をメインに、フェムケアについての執筆やインタビュー記事も手がける。趣味は植物栽培。著書に『美容は自尊心の筋トレ』(Pヴァイン)、責任編集に『エトセトラ VOL.3 私の私による私のための身体』(エトセトラブックス)。

たなかみさき

1992年生まれフリーランスのイラストレーター。軽やかかつ叙情的な作品が特徴。J-WAVE『MIDNIGHT CHIME』のラジオナビゲーターとしても活動。



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