三原勇希にとってのランニング 自己肯定感を高め、心身を健康に

三原勇希にとってのランニング 自己肯定感を高め、心身を健康に

インタビュー・テキスト
小林千絵
撮影:持田薫 編集:久野剛士(CINRA.NET編集部)

ストリーミングは曲への愛着が盤より薄いけど、プレイリストを作ったり交換したりすることでもっと一曲を好きになれる。

―三原さんは普段から音楽をよく聴かれていますが、ワークアウト中に聴く音楽と、普段聴く音楽は違いますか?

三原:どっちでも聴く曲ももちろんありますけど、やっぱりスローな曲はあんまりワークアウト中には聴かないかな。逆にワークアウトのときはモチベーションを上げてくれる曲が多いです。わかりやすく「keep running」みたいな歌詞が入ってる曲なんかはプレイリストに入れたくなります。あとはEDM的な構成の曲というか……溜めて溜めてサビで盛り上がる、みたいな曲をたまに挟むと疲れてきたときにやる気が出ます。あとは飽きないように洋楽と邦楽を混ぜたり、歌詞のある曲とない曲を組み合わせたり。ワークアウトってやっぱりキツいことなので、音楽の力を借りて楽しめるようにしています。

三原勇希

―音楽好きの三原さんですが、そのルーツはなんだったんでしょうか?

三原:小・中学生の頃、TSUTAYAに行ってはランキング上位の曲を借りて音楽を聴いていたんですけど、その頃、RIP SLYMEとかDef Tech、ケツメイシとか、ポップな音楽の中にラップが入っているような曲が人気で私も好きだったんです。そんなときKICK THE CAN CREWの“TORIIIIIICO!”に出会って衝撃を受けました。ラップの面白さをマイクリレーでつないでいく、「ヒップホップの虜だ」ってことを歌った曲なんですけど、その言葉遊びも巧みで、歌い手のそれぞれのフロウもすごく自由で。実際カラオケで友達とマイクリレーするとさらに楽しい。ラップは1つの歌詞に何重にも意味がかかっていたり、固有名詞がいっぱい入っていたりして、いくらでも意味を掘り下げられたんですよね。聴けば聴くほど気づかなかった韻を発見したり。そうやってディグしていくうちにラップを好きになっていきました。

KICK THE CAN CREW“TORIIIIIICO!”を聴く(Spotifyを開く

―ラップのどういうところに惹かれたんだと思いますか?

三原:一番はリズムと言葉遊びですね。「どれだけ掘れるか」っていうのも大きかったと思います。歌詞もそうだし、サンプリングの元を辿って行ったり、フィーチャリングゲストを調べていったり。でも全然ヒップホップだけが好きというわけではなくて。平井堅さんとかも昔から大好きだったな。ジャンルは本当に関係ないですね。好きなポイントがあれば好きです。

―音楽の出会い方は時代によって違うと思いますが、最近はどうやって出会うことが多いですか?

三原:音楽好きの友達に教えてもらうことが多いですね。逆に教えることも多いですけど。あとはTwitterとか。

―お友達と教え合うときにはそれこそプレイリストをシェアしたり?

三原:そうですね。「プレイリスト作って」って言われることも多いです。私が音楽の先生と慕っている(笑)、渋谷のBeat CafeのKatomanさんに定期的にプレイリストを提供してもらっています。いい感じの新曲を詰め込んでもらうこともあれば、私が「何年代のこういう感じの曲が聴きたい」と言うと、それに沿ってセレクトしてくれたり……! ストリーミングってどうしても曲への愛着が盤よりも薄くなりがちだと思うんですけど、プレイリストを作ったり交換したりすることで聴こえ方が変わって、もっと1曲1曲を好きになれると思います。

三原勇希

マラソンって因果律がわかりやすくて、がんばるほどちゃんと結果が出るからうれしかったんですよね。

―今回はランニング用のプレイリストを作っていただいたので、ランニングについても聞かせてください。痩せたお友達の影響で、ランニングを始めたということですが、そこからランニングが面白いと思うようになったきっかけはなんですか?

三原:最初は友達と走っていたので、その集合写真を毎回Twitterにアップするのが楽しかったんです。朝早く起きたり、体を動かしたりするのも気持ちよかったし。でも意識がガラっと変わったのは2015年にフルマラソンの大会に出たことですね。

―大会でどう変わったんですか?

三原:ランニングを始めた当時は「楽しい~」って感じで走っていただけで、特にがんばってはいなくて。でも大会に出場するとなると、練習も本番もがんばらなくちゃいけない。でもがんばった分だけ結果が出るのが気持ちよかったんです。私ずっと自分に自信がなかったんですよ。芸能活動は中学生の頃からやっているんですけど、数字で結果が出る仕事じゃないし、人から「よかったよ」と褒められても「まだまだ全然」と思ってしまって、あまり自分に満足したことがなかった。

でもマラソンって因果律がわかりやすいというか。やったぶんだけタイムが縮まったりして、ちゃんと結果が出るからうれしかったんですよね。「それだけがんばったんだな」って自分を褒めてあげられて。わかりやすくいうと、自己肯定感が上がったんです。

三原勇希

―そもそもどうしてフルマラソンに挑戦しようと思ったんですか?

三原:お仕事で話がきたんですが、私は好奇心が旺盛なタイプなので最初は「楽しそう」という単純な興味でした。練習を始めると当然きついんですけど、やるならなんでも全力を尽くしたいタイプで。私は大会の3か月前くらいからコーチをつけてもらって練習を始めたんですが「3か月後のゴールに向かって初めてのことに挑戦する」ということって私にとっては久しぶりで。「大会」とか「試合」とかも大人になるとなかなか経験しなくなるし。そういう粛々とゴールに向かう状況に対する興奮がありましたね。しかも結果的に、目標にしていたタイムよりも大幅に速く走れることができて、初フルマラソンで4時間を切ることができました。自分やるじゃん、って思えたその経験がランニングにハマった一番のきっかけだったかな。

―大会に出たからこそ、わかった楽しさだったんですね。

三原:あと、私、運動が苦手なんです。

―え? 意外ですね。

三原:運動は好きなのに、部活ではずっと補欠だったし、学生時代は体育の成績も悪かった。でもマラソンに運動神経は関係ないんですよ。それも惹かれた理由です。体を動かしたいなと思ったら、1人でもできるし、どこでも無料でできるし、なにもいらない。一番ハードルが低いスポーツだと思います。

―始めるハードルは低いですけど、続けるには根気がいるスポーツでもありませんか? 「走ってみたものの、なかなか続かない」という声もよく聞きます。

三原:確かにそうですね。続けるためには「無理しない」というのが大事だと思います。私は走りたくない日は走らないですし(笑)。体を動かしたいと思った日とか、「今日は涼しくて気持ちよさそう」と思ったら走るとか。「走って気持ちよかった」っていう体験が、また走ろうと思うことにつながると思います。最初に話をしていたように「この新譜を聴きたいから走ろう」とかでもいいと思うし。私がランニングを続ける上で一番大きいのは、友達の存在なんです。

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サービス情報

『Soundtrack Your Workout』

日頃聴いている音楽の傾向を踏まえ、自分だけのワークアウト用プレイリストを自動的に作成するサービス。サイト上でワークアウトの種類や所要時間、運動の強度、なりたい気分、誰と運動するかなどの質問に回答し、自身のSpotifyと同期することで、プレイリストが作成される。

『三原勇希×田中宗一郎 POP LIFE: The Podcast』

プロフィール

三原勇希(みはら ゆうき)

タレント/ラジオDJ。1990年生まれ。大阪府出身。愛読していたティーン向けファッション雑誌『ニコラ』のイベント会場にてスカウトされ13歳でモデルとしてデビュー。その後、tvkテレビ神奈川「sakusaku」で4代目MCを務めるなど様々な番組に出演。 現在は音楽、スポーツ、ファッションと多才多趣味を活かし、テレビ・ラジオ・雑誌・Podcast・コラム執筆などマルチに活躍中。

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