Podcastの引力と海外での急成長。NY在住のライター佐久間裕美子が綴る

Podcastの引力と海外での急成長。NY在住のライター佐久間裕美子が綴る

テキスト
佐久間裕美子
編集:久野剛士(CINRA.NET編集部)

ストーリーを伝えるメディアPodcast。それ自体が育み始めたストーリー

この5年、6年の間に、Podcastユニバースはずいぶん大きくなった。誰かのアパートから生まれたクルーが、大きなポートフォリオを持つ制作会社に成長したり、インディーのカジュアルなおしゃべり番組だけれど鋭い視点を持つ『Red Scare』からスターが生まれたり、『シリアル』に刺激を受けた映像作家志望が、未解決事件を自分で捜査しながらその様子をリポートして、プロのポッドキャスターに成長したりもした。ストーリーを伝えるはずのPodcast自体が、さらなるストーリーを生み出すようになった。

『Red Scare』を聴く(Spotifyを開く

登場する番組の幅が広がっていくにつれ、サウンドデザインのクオリティーも上がっていった。ニュースを伝える、という行為の中にも、Podcastならではのサウンドデザインの工夫が凝らされるようになっている。Podcastは、音というシンプルなメディアで伝えられることの可能性をどんどん広げているように見える。

新型コロナウイルスが世界を覆ってから、自分のPodcastのサブスクリプションを考え直した。朝一番に、NPR(National Public Radio)のニュース番組、The New York Timesの『The Daily』を始め、最前線の様子やイノベーションの導入を追いかける番組、哲学者や起業家、作家たちの声を探してトーク番組の比重を増やした。そして時々疲れると、エンターテイメントのコンテンツにオアシスを求める。

The New York TimesのPodcast『The Daily』を聴く(Spotifyを開く

ひとつ気がついたのは、コロナウイルスはとても大きなトピックとしてそこに存在しているが、リスナーの立場からすると、何かが変わった気はあまりしない。録音場所がスタジオから各自の家に移行しても、録音環境によって差があるだけで、耳に入ってくる世界は基本変わらないのだった。変わらない存在としてのPodcastが、自分の生活の土台として根を張っていることに気がつくのだった。

『こんにちは未来:Quarantine Jukebox "40 songs for your emotional rollercoaster rides" 』プレイリストを聴く(Spotifyを開く

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リリース情報

『こんにちは未来 ~テックはいいから』

NY在住のジャーナリスト佐久間裕美子と『WIRED』日本版の前編集長でコンテンツ・メーカー「黒鳥社」の若林恵の盟友2人が、音楽、アート、政治、ビジネス、ライフスタイル、メディアまでカテゴリーにとらわれず縦横無尽に語りつくすトークセッション。月2回配信予定。

『TBSラジオ「放課後アトロクPodcast」』

ライムスター宇多丸の聴くカルチャー・プログラム、最高峰「アフター6ジャンクション」。 当コンテンツでは、ゲストとの延長戦トークや裏話、放送では遠慮してしまう映画のネタバレ前提トークや、放課後podcastのための特別企画など、Spotifyでしか聴けない音声が満載。週1回、木曜21時の定期配信。4月からのレギュラー放送のアーカイブも同時配信中。

『西寺郷太の「GOTOWN Podcast」』

NONA REEVESの西寺郷太がパーソナリティを務めるSpotifyオリジナル・ポッドキャスト。西寺自身が「インプット・アウトプット」をテーマに掲げ、音楽はもちろん、政治、歴史、映画、書籍など自由自在なトークを展開。テーマにちなんだゲストを招き、深く知る話を展開(アウトプット)しつつも、ゲストを迎えて新たな視点を吸収(インプット)。リスナーの興味・知識をくすぐる番組を目指している。

『三原勇希×田中宗一郎 POP LIFE: the Podcast』

三原勇希&田中宗一郎をホストに、毎回ゲストを迎え、音楽、映画、様々なポップ・カルチャーを巡る「超・雑談」によって時代や社会の変化、そこに宿る興奮をキャッチ!

『サッカーを語ろう MUNDIAL JPN Podcast』

毎回、サッカーにまつわる多彩なゲストを迎え、今までにないアングルで切り取ったサッカーを伝えます。サッカーの進化と深化を語り攻める! サッカー・ライフスタイル雑誌「MUNDIAL JPN(ムンディアル・ジャパン)」によるポッドキャスト。

『ヒプノシスRadio-Spotify Edition-』

「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」の登場キャラクターがラジオDJを担当、あなたのお悩みにお応えするラジオ番組「ヒプノシスRADIO supported by Spotify」(TOKYO FM 2020年3月で放送終了 / 番組ナビゲーター:矢島大地)放送では聴けなかった未公開パートを含む、Spotify Edition。

プロフィール

佐久間裕美子
佐久間裕美子(さくま ゆみこ)

1996年に渡米し、1998年からニューヨーク在住。出版社、通信社などを経て2003年に独立。政治家(アル・ゴア副大統領、ショーペン元スウェーデン首相)、ミュージシャン(坂本龍一、ビースティ・ボーイズ、マーク・ロンソン)、作家(カズオ・イシグロ、ポール・オースター、ゲリー・スナイダー)、デザイナー(川久保玲、トム・フォード、トム・ブラウン)、アーティスト(草間彌生、ジェフ・クーンズ、杉本博司、ライアン・マクギンリー、エリザベス・ペイトン)など、幅広いジャンルにわたり多数の著名人・クリエーターにインタビューしてきました。著書に「真面目にマリファナの話をしよう」(文藝春秋)、「My Little New York Times」(numabooks)、「ピンヒールははかない」(幻冬舎)、「ヒップな生活革命」(朝日出版社)、翻訳書に「テロリストの息子」(朝日出版社)。慶應大学卒業。イェール大学修士号を取得。

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