人気アーティストによる撮り下ろしのパフォーマンス映像が楽しめるSpotifyのビデオシングルシリーズ「Go Stream」がスタート。7月20日、その第一弾として、ずっと真夜中でいいのに。とVaundyによるパフォーマンス映像が公開された。この2組はともにSpotifyが選出し、将来有望なアーティストを応援するプログラム「RADAR: Early Noise」出身で、SpotifyのブランドCMにも起用されている。
そして9月16日、「Go Stream」第二弾として日本を代表するトップアーティスト3組、宇多田ヒカル、星野源、Mrs. GREEN APPLEの作品が公開された。これら人気アーティストとの新たなコラボレーションは、アーティストとリスナーの新たな出会いやつながりを生み出してきたSpotifyの考えを体現するものだと言えよう。
そこで本稿では、これまでSpotifyがどのようにアーティストとリスナーの関係を深める取り組みを行なってきたか、Spotifyがアーティストと歩んだ軌跡を辿る。
アーティストとリスナーの新たな出会いやつながりを創出
世界で4億3,300万人以上のユーザーが利用するオーディオストリーミングサービスSpotifyは、2016年秋の国内サービス開始以来、次々と登場する独自の機能やプログラムによって、いつでも音楽にアクセスできるという「ストリーミングサービス」の枠を超えたプラットフォームへと進化。その役割に対する期待は高まり続けていると言っていいだろう。
いくつか例を挙げてみよう。まず2019年7月に、国内でイープラスとのパートナーシップを締結。それぞれのアプリやサイトの機能を連携させることで、聴取履歴や趣向に応じてパーソナライズされたコンサート情報をSpotify上でユーザーに提供できるようになった。
気になるコンサートのチケット販売情報は、数タップですぐにイープラスのサイト上で確認でき、ログインすればその場で購入することも可能だ。この連携によって、日頃からアーティストを応援しているリスナーはいち早くコンサート情報を得ることができ、アーティストにとっても音楽を届けたいリスナーにライブを観てもらうことができるソリューションの一つとなり、業界内でも話題になった。
2019年11月には、ワンタップでボーカル音量を調整できる「シンガロング」機能が登場。ユーザーはお気に入りの曲を聴くだけでなく、歌詞を読んで曲の世界観を味わったり、さらにはボーカル音量を下げてお気に入りのアーティストと一緒に歌って楽しんだりすることも可能になった。
2021年3月にはアーティストがアルバムのテーマやメッセージ、制作の舞台裏などについて解説した音声インタビューと、その収録曲を一緒に楽しめる新たなコンテンツシリーズ「Liner Voice+」を開始。そのアーティストに深い知見を持つインタビュアーとの対話を通じて、テキストだけでは表現できない空気感までを伝えるこのシリーズは、アーティストとリスナーの関係性を強化することに力を入れてきたSpotifyらしい企画だ。
なお、Kompassではこの「Liner Voice+」の音声インタビューを基に、ジャーナリストやライターが独自の視点でさらに深くアルバムについて考察したテキストも公開しているので、こちらも併せて楽しんでいただきたい。
そして、2022年3月にはリスナー同士の音楽の好みを掛け合わせ、パーソナライズされたプレイリストを作成できる「Blend」の機能が拡充。アーティストと自身が聴いている曲の傾向を掛け合わせ、自分だけのプレイリストを自動生成できるように進化(*1)。アーティストが普段聴いている曲を知ることができ、音楽の好みを介してアーティストをより身近に感じることができるようになった。
*1:Blend参加アーティストはこちら(外部リンクを開く)
このようにSpotifyはさまざまな機能やプログラムによって、アーティストとリスナーの出会いやつながりを、より長期的で深い関係性に進化させることができるよう、プラットフォームをつねにアップデートし続けているのだ。
「RADAR: Early Noise」――ネクストブレイクアーティストをバックアップ
Spotifyはさまざまな取り組みを通じ、これまでにない方法で新人アーティストのブレイクに寄与してきたことも見逃せない。2017年からスタートした「RADAR: Early Noise」プログラムはその最たる例だ。この活動を通じて、今後飛躍が期待されるアーティストをプレイリストやイベントなどを通じてリスナーに紹介し、継続的にバックアップを行なってきた。
初期に選出された、あいみょん、ビッケブランカ、向井太一、STUTS、CHAIなどはその後、国内外に活躍の場を大きく拡大。2019年選出のKing Gnu、ずっと真夜中でいいのに。、中村佳穂、秋山黄色、2020年選出の藤井 風、Vaundy、Novelbrightなども日本の音楽シーンのトップを走るアーティストとして活躍している。
2021年からはグローバルの新人サポートプログラムと連携を強めたことで海外の音楽ファンに紹介される機会もさらに広がり、2021年は(sic)boyやLEX、2022年はWurtSやPenthouseなどが選出され、注目を集めている。
「RADAR: Early Noise」に選出されたアーティストがSpotifyのブランドCMに起用されるケースも見られた。2020年8月にはSpotifyタウンに迷い込んだVaundy風のキャラクターが登場する「Spotify Premium CM『Spotify Town』篇」で“不可幸力”が使われ、2021年6月にはブランドキャンペーンのCMにずっと真夜中でいいのに。のACAね自身が出演し、“あいつら全員同窓会”を歌唱している。
ビデオシングルシリーズ「Go Stream」第二弾に日本を代表するトップアーティスト3組
Spotifyが国内でこれまで展開してきたさまざまな取り組みを振り返ってきたが、7月20日には新たな試みとして、人気アーティストによる撮り下ろしのパフォーマンス映像が楽しめるビデオシングルシリーズ「Go Stream」がスタート。これはSpotifyとともにさまざまな挑戦に取り組んできた国内アーティストの魅力を、日本のみならず海外のリスナーにも、より多面的に紹介する試みだ。
そして第一弾として公開された、ずっと真夜中でいいのに。とVaundyによるパフォーマンス映像に続き、9月16日には、第二弾として宇多田ヒカル、星野源、Mrs. GREEN APPLEが登場した。
宇多田ヒカルは、夜の八景島シーパラダイスで幻想的なパフォーマンスを披露。一方、星野源はアットホームかつミニマムな空間で撮影を行ない、和やかな雰囲気のワンカットムービーに仕上がった。Mrs. GREEN APPLEの作品は楽曲に合わせた演出とステージングが盛り込まれており、見応え十分だ。
アーティストとリスナーとともに新たな表現領域を開拓し続けるSpotifyの試みに、これからも注目していきたい。
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宇多田ヒカル
“Go Stream” Video Single
1. Somewhere Near Marseillesーマルセイユ辺りー - LIVE at Sea Paradise
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星野源
“Go Stream” Video Single
1. 喜劇 (Comedy) - Go Stream Live ver.
2. 不思議 (FUSHIGI) - Go Stream Live ver.
3. 異世界混合大舞踏会 (I Wanna Be Your Ghost) - Go Stream Live ver.
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Mrs. GREEN APPLE
“Go Stream” Video Single
1. ダンスホール - Go Stream Live ver.
2. ニュー・マイ・ノーマル - Go Stream Live ver.
3. インフェルノ - Go Stream Live ver.