CHAIが2年ぶりの北米ツアー『WINK TOGETHER NORTH AMERICA TOUR』を2022年2月4日から3月17日に開催。トレーラーの盗難被害に遭うといったアクシデントがありながらも、これまでで最長となる42日間27公演を完走した。
2020年にUSの名門レーベル・SUB POPと契約し、2021年にニューアルバム『WINK』をリリースして以降の初めてのツアーでもあり、途中ではアメリカのインディシーンでカリスマ的な人気の日系アーティスト・Mitskiのワールドツアーのサポートアクトを務めた。日本とは異なり、マスクをしていればオーディエンスが声を出せることもあって、非常に感慨深いツアーとなったようだ。
そして、彼女たちは今回のツアーで「ポジティブなエネルギーを発すること」の重要性をあらためて感じたという。そう、コロナ禍の2年で誰もが心身ともに疲弊を募らせるなかで、いま求められているのは軽やかで、ユニークで、ポジティブな音楽。SuperorganismやWet Legといった同時代のアーティストとも共鳴しつつ、CHAIは今年国内外でライブをし続ける。THE SHOW MUST GO ON!
2年ぶりに体感した「歓声」、マスクをしていれば声が出せるアメリカツアー
―1か月半に及ぶ2年ぶりの北米ツアーが無事に終了しました。その手応えや、ツアー中に感じたことを話していただけますか?
カナ:まずは2年ぶりのツアーに行けたことに感謝したいです。SUB POPと契約したけど、まだスタッフさんと直接会えたことがなかったから、会って感謝を伝えられたことも本当に嬉しかったし、あとは観に来てくれるお客さんもたくさんいて、本当に待っててくれたんだなって。2年ぶりにお客さんの歓声を聴きました!
―日本ではまだライブで声を出せないですけど、アメリカはマスクをしていれば声が出せるんですよね。
カナ:「これぞライブだな」って感じました。お客さんとのコミュニケーションがわかりやすくて、すごい歌ってくれるし、エネルギーの交換をどのライブでも感じて。なので、お客さんにも感謝を伝えたい気持ちでいっぱいになりました。ちゃんと会いに行けてよかった。涙が出るくらい嬉しかったです。
マナ:CHAIとして、ミュージシャンとして、ちゃんと世界に羽ばたいて行けるチャンスというか、用意された舞台がすでにそこにあることを実感できたツアーでした。自分にとっても、チームにとっても、お客さんにとっても、みんなにとって未来あるものを見せられたし、見てもらえたツアーでした。
コロナという時代も含めて、すべてのものを背負ったうえで、最後は愛と感謝だったなって。この時代だからこそ、CHAIにしかできない見せ方で、ポジティブなエネルギーをその場にいる全員に伝えることができたと思うし、お客さんにとってもCHAIが絶対に必要なんだと強く思えたから、もっともっとツアーをやりたい。
ユウキ:向こうに行ってすぐに「あ、これこれ!」と思いました(笑)。コロナになる前は一か月おきに海外に行ってたけど、それがパタッとなくなっちゃったから、どんな感じだったかを思い出していく感じ。
「スタッフが全然いなくてグチャグチャだね」とか(笑)、珍道中な感じをひさしぶりに味わえたのが嬉しかったし、「海外ツアー、これこれ!」みたいなのが楽しくて。あとは、普通に海外に行くこと自体ひさしぶりで、いろんな人種の人たちを目の当たりにできたことが嬉しくてしょうがなかったです。日本にいるとその感じって、なかなかないじゃない?
―アメリカほど坩堝(るつぼ)ではないですもんね。
ユウキ:そうそう。あの移民の国ならではの感じ。ネットで世界中の人に届くのも嬉しいけど、目の前にいるいろんな人たちにCHAIの音楽を直接届けることができて、すごく楽しかったです。
コロナ禍のツアーで感じた「ポジティブなエネルギー」の重要性
―ユナさんはいかがですか?
ユナ:2年ぶりだったので、音楽の流行りの移り変わりもあるなか、最初はいろんなドキドキがあったんですけど、ライブのSEがかかったら「ウワー!」っていう歓声が聴こえて、お客さんたちが変わらず待っててくれたんだっていう、まずその喜びがありました。
ユナ:あとお客さんが『WINK』の曲をほぼ完璧に歌えてたり、私たちにメッセージを伝えようと、スマホのグーグル翻訳で「愛してる」って見せてきたり、私たちの演奏を歓声で受け止めてくれる感じがすごくして。それとの相乗効果でとってもいいライブ空間がつくれたので、「音楽、最高だな!」って、再確認できました。みんなのおかげで本当にいいツアーになったなって思います。
―4人の話ぶりからもめちゃめちゃいいツアーだったんだなってことが伝わってきます。クエストラブにも会えましたしね(笑)。
ユナ:そうなんです!
マナ:うちらがRECしてた隣でDJをやってたんですよ。びっくりした。あんな側にそんな人がいるなんて思ってなかったから(笑)。
ユナ:しかも、特別な料金を払って見るとかじゃなくて、カフェのお庭のDJスペースみたいなところにいて。アメリカで音楽がどれだけ日常に溶け込んでるかをあらためて感じたというか。
クエストラブがあの距離感でいるっていうのは、こっちからすると「え? そこにいていいんですか?」って感じだけど、もしかしたらそれが当たり前なのかなっていうくらい、あっちはすごい平然としてましたね。
―コロナ禍以前・以降の違いに関しては、何か感じる部分がありましたか?
マナ:こういう時代だからこそ、お客さんがすごく音楽を求めてる、ポジティブなエネルギーを求めてるんだろうなっていうのは、ライブをしながら実感したので、それも含めて、感動が前よりも大きかったです。
いろんな出来事があったからこそ、バンドも大きくなれたし、愛も大きくなって、全体通してドラマチックなツアーになって。だからもっともっとやりたいなって、強く思ったし。
―2020年のCINRAのインタビュー(「CHAIが語る、海外のステージに立つ中で感じる緊張、課題、自信」)では、日本と海外を行き来する日々に疲れを感じて、日本に帰ってくると「空っぽだな」と思ってしまうときもあったと話をしてくれていて。コロナ禍を経てのひさしぶりのツアーだったことも含めて、マインドにはだいぶ変化があったのかもしれないですね。
マナ:ずっと火が点ってます。
ユナ:逆にこっちが元気をもらったっていうか、音楽をやる醍醐味とか楽しさをお客さんが教えてくれたような感じもあったから、また早く海外に行きたいし、もっとライブをやりたいし、見せ方をもっと極めたい。いまはポジティブに考えられることしかないっていうくらい。
―いいですね。ぼくも早くライブで声を出したいなって。
マナ:日本も早く声が出せるようになるといいですよね。
ユナ:ホントにそう。
―それこそCHAIのアメリカでのライブ映像が日本でも流れること自体が空気を変えるというか、「やっぱりこれだよね」っていう、後押しになるような気もします。
ユウキ:CHAIのやり方を見てもらえたらいいな。
2月15日に行われたブルックリン公演のライブ映像。この日のオープニングを務めた韓国のSu Leeがゲスト参加する場面も
ピンチをチャンスに。トレーラーの盗難事件から生まれた“SURPRISE”のミュージックビデオ
―ただ、今回のツアーではトレーラーの盗難被害という大きなアクシデントもありました。あらためて、どんな状況だったのでしょうか?
マナ:オースティンに泊まった日だよね。その日は今回のツアーで一番長い10時間移動の日だったんですけど、朝にLINEが来て、「盗られました」と。そのトレーラーには衣装と物販が入ってたんですけど、不幸中の幸いだったのが、楽器とか機材は別の車に積んでたんです。
マナ:もちろんショックは受けたんだけど、その日はひとまず移動しなきゃいけなくて、明日にはライブがあるっていう状況だから、ショックを受けてる場合じゃなかったというか。
なので、まず新しい衣装を用意しなきゃいけないから、チームに探してもらって古着屋さんを見つけて、そこでチュールを2枚買い、それを縫って衣装をつくって。いま着てるこの衣装は、sukuhomeっていうオーストラリアのブランドが、前にCHAIが衣装で使ったのを知ってくれてて、急遽送ってくれたんです。
マナ:絶対に悔いの残らないツアーにしよう、「THE SHOW MUST GO ON」だって、それをずっと念頭に置いていて。とはいえ私たちだけだったらどうにもならなかったから、みんなには感謝でいっぱいです。ドネーション(寄付)もそうだし。
カナ:Mitskiのクルーもドネーションを呼び掛けてくれたし、それ以外にも、私たちの物販がなかった日に、MitskiのツアーポスターにMitskiと私たちがサインしたものを売って、その売り上げを全部CHAIに譲ってくれたりして。MitskiにもMitskiのスタッフにも感謝してもしきれないです。
ユナ:サポートしてくれたみんなにちゃんとライブで、音楽で「ありがとう」を返したいと思ったので、なんとしてもツアーを周り切るぞと思ったし、みんなのおかげでポジティブなエネルギーも湧いたので、やっぱり感謝しかないです。
―衣装を自分たちでつくっちゃうDIY精神はかっこいいですね。
カナ:最初は手縫いをしてたんですけど、それは限界があって、そうしたらPAスタッフのグレッグが「俺、ミシンできる」っていうから、急遽買って、ユナが教わって。
ユナ:このツアーでできるようになったことはミシンです(笑)。
―しかも、そんなピンチを早速ネタにして、アメリカでミュージックビデオまで撮影してきたそうですね。
マナ:そうなんです!
―ぼくはまだ映像は観れてないんですけど、どんな内容なんですか?
ユウキ:トレーラーが盗まれちゃったっていうリアルなストーリーをベースにした、ドラマ仕立てにしてあるんです。曲のタイトルが“SURPRISE”で、CHAIは起きたすべてをハッピーなサプライズに変えられるから、みんなも何か嫌なことが起きてしまっても、見方によってハッピーに変えられるよっていうメッセージがありつつ、ちょっと自虐っぽい面白さもあって。
マナ:演技チックなところもあって、一生懸命さが伝わると思うんですけど、私たちが見ると思い出深すぎて涙が出てきちゃう(笑)。
―そんなアクシデントがあったのに、アメリカ滞在中に撮影までしちゃうバイタリティーがすごいなって。
ユウキ:最初は違うアイデアがいくつかあったんです。でも途中からアイデアが変わって。
―あ、“SURPRISE”という新曲がもともとあって、ミュージックビデオを撮ること自体は決まってたんですね。そうしたら、思っても見なかったサプライズが起こっちゃったっていう(笑)。
マナ:そうなんですよ!(笑)
ユウキ:まさかこんなミュージックビデオになるなんて。でもあの時間を昇華できる場所としてこの曲があったんだなって思うと、全部必然だったなって。
マナ:すごい意味を持っちゃった。もともと意味はあったけど、さらに持っちゃったね。
―これから何度もツアーをして、CHAIがさらにビッグになったときに、「そんなこともあったね」って、笑い話になってるといいですよね。
マナ:それが一番最高。そのためにも今回助けてくれた人たちには音楽で返していきたいです。
日系アーティスト・Mitskiのサポートで感じたカリスマ性
―Mitskiとのツアーについても聞くと、もともと彼女の音楽は聴いてましたか?
マナ:私がMitskiを知ったきっかけはJapanese Breakfast(ミシェル・ザウナーのソロプロジェクト)のインタビューで、それから日系だっていうのも知って、聴くようになりました。不思議でエモーショナルな音楽という印象だったので、「CHAIと一緒にやったらどうなるのかな?」って、すごく楽しみで。
―彼女はもともとの出自はパンクシーンなんですよね。
マナ:そうなんだ!
―そこからいろいろな変遷があって、最近の作品ではシンセを使ったディスコ的な要素も入ってきてたから、このタイミングでCHAIと回るのは「なるほど!」と思いました。あとはやっぱり日系ということもあり、インタビューでは「CHAIを紹介したい」ということも言ってたみたいですね。
ユウキ:お客さんにも「Mitskiがフックしたいアーティストだ」っていうことがちゃんと伝わってたからか、すごくウェルカムな状態で。Mitskiに対しては「キャー!」みたいな、黄色い歓声が上がるんだけど、私たちに対しても同じような反応をしてくれたんです。
最初は音楽の相性がどうなのかなって思ったりもしたけど、やってみたらこれまでやった前座の経験のなかで一番ウェルカムで、お客さんも共通する何かを感じてくれたのかな。
マナ:オープニングアクトは毎回すごい緊張するんです。絶対アウェイだから。なんだけど、Mitskiのオープニングはホントに「キャー!」ってなって、嬉しかった。
Mitskiが私たちを推したいと思ってくれてるのがちゃんとお客さんにも伝わってる気がして、それができてるMitskiはマジすごい。ファンがMitskiのことを本当に支持してることが伝わってきて、「かっけえ!」って思った。
―Mitskiのカリスマ性ももちろん大きいと思うし、CHAIのアメリカにおける存在感が大きくなってることの表れのような気もします。
ユナ:ニューオリンズで“Donuts Mind If I Do”をやったときに、お客さんがみんな携帯のライトをつけてくれて、プラネタリウムみたいになって。CHAIのライブではこれまでそういう光景を見たことなかったから感動しちゃいました。
まず大事なのは「セルフラブ」、人種もセクシャリティーも何かに括らないCHAIのスタンス
―Mitskiとゆっくり話をする機会はあったんですか?
カナ:コロナの関係もあって、あんまり対面で話すことはできなくて。ちょっとだけ話せたときは、Mitskiが「出てくれてありがとうございます」って日本語で言ってくれたので、「こちらこそありがとうございます」って、いかにも日本人っぽい会話をしました(笑)。
―Mitskiをはじめ、アジア系ミュージシャンの活躍が伝わってくる一方、アジアンヘイトの話が伝わってきたりもしていて。今回のツアーで何か感じることはありましたか?
ユウキ:一個人としては、アジアンヘイトは感じなかったです。ツアーの最初が寒い地方だったから、すごいでかいダウンジャケットで行ったら、どこを歩いても「I like your jacket!」って言われたんですよ。
ユウキ:走ってる車が止まって、ウィーンって窓が開いて、「I like your jacket!」と言って走り去ったり(笑)、ホントに「I like your jacket!」を言うためにみんなが集まってくる感じ。そこにアジアがどうとか人種がどうっていうのはなく、「人間対人間」のコミュニケーションだったし、日本ではなかなか感じられないコミュニケーションの壁のなさだったから、そういうアメリカの文化には感動しました。
―ライブに来るお客さんはどうでしたか?
ユウキ:年齢も性別も人種もいろんな人がいて、少なくとも私が見た世界のなかでは差別のようなことはなかったので、それはすごく嬉しいことで。
ただ、実際に差別があることは事実だから、CHAIがもっと活躍することで、アジアのイメージをより変えていけたらいいなっていうのは思います。人種の違いは大事なことだし、でも違いをなくしたいとも思うし、いろんな気持ちを持って帰って来れたので、この気持ちをまた次に生かしていきたいと思ったかな。
マナ:たしかに、ライブにはいろんな人種の人が来てくれてたけど、でも本当は「人種」で括りたくないし、いちいちそれを言いたくもなくて、CHAIは来てくれたお客さん全員にポジティブなエネルギーを必ず伝えられると思ってる。
もちろん、ライブに来てくれる人それぞれにいろんなことがあると思うけど、でもCHAIのライブはそれを絶対ポジティブなエネルギーに変えられると思うし、絶対にそれをやりたい。Mitskiが私たちを選んでくれたのは、きっとそういう部分も関係していたと思うし。
―Mitskiは前作のリリース後にメンタルの面で問題を抱えて、活動休止から復活しての今回のツアーだったから、彼女自身もポジティブなエネルギーを欲してた気がします。
ユウキ:ちゃんと自分自身に誇りを持つことができれば、人を否定することもなくなると思うし、CHAIはそういう気持ちにさせることができると思う。だから、まずは自分たちが自分自身を思いっ切り愛して、それを思いっ切り表現するっていう、ただそれだけを見せられればいいのかなって。
―「NEOかわいい」は決して容姿の話だけじゃなくて、人種やセクシャリティーも含めて自分を肯定して、好きになることも含まれている気がします。そうやって自分を認めて、そのうえで「個人」のままつながることができるというか、それが音楽のパワーだなって。
ユウキ:音楽に境界線はないと思いました!
マナ:あんまり区別して言いたくないけど、肌の色が違う人が隣同士で肩を組んで、一緒にCHAIの曲を歌ってくれてるのを見るだけで涙が出そうだった。そういうのはめちゃくちゃ嬉しい。
カナ:同性愛者の人が目の前でキスしたりとか、あんまり日本では見ない光景だから、そういうのも幸せな気持ちになりました。
Superorganism、Wet Leg……さらに世界へと広がっていくCHAIのこれから
―いま(取材日は4月18日)『コーチェラ・フェスティバル』がやってるじゃないですか? 宇多田ヒカルさんやきゃりーぱみゅぱみゅさんはもちろん、出演者の人種が幅広いし、クィアのアーティストも多くて、音楽における多様性をちゃんと体現してるフェスだなとあらためて感じて。
マナ:ホントに。ビリー・アイリッシュのライブはリアルタイムでも見たけど、もう一回見たくて今朝も見ちゃいました。最後に(Gorillazの)デーモン・アルバーンが出てきて、“Feel Good Inc.”を一緒にやったのがめっちゃかっこよくて! ビリーが「すべてに影響を受けた」みたいなMCをしてから、デーモンと一緒に歌い出して。
カナ:えー、それヤバい!
―CHAIはGorillazの曲にも参加してるわけですもんね。
マナ:感極まりましたね。最高。みんながきゃりーちゃんのダンスをしてるのもよかったし、宇多田さんの曲をお客さんみんな歌ってるのも感動したし、Brockhamptonもめちゃかっこよかった。それこそ人種はバラバラなチームで、それもよかったし。
カナ:普通にミュージシャンとして、早く出たいです。
マナ:ホントに!
―「かわいい」の代表の次は「NEOかわいい」の代表の番ですよね(笑)。
マナ:ステージに立つイメージはすごくできた。
―最近だと8人組の多国籍バンド・Superorganismの新曲にも参加していますよね。2018年にツアーのサポートをしてからずっと交流があると思うんですけど、“Teenager”に関してはすでに出来上がってるトラックに歌を乗せたとか。
カナ:たしかコロナ前にSuperorganismのツアーバスのなかで録ったと思う。
ユナ:遊び感覚でね。
マナ:いろんなところで録りました。『SXSW』に出演したときもホテルで録ったし、ツアーバスでも録ったし、どれがどう生かされるのかはSuperorganism次第(笑)。
カナ:あの人たちつねに友達の声入れてるからね。
マナ:つねに環境音録ってるし。
―それがあのサンプリングに生かされていると。あと、UKのWet Legがインタビューで「CHAIやおとぼけビ~バ~に影響を受けた」という話もしていて。
カナ:見た! すぐフォローした(笑)。
マナ:かわいいよね。
―本当にいろんな壁がなくなってきてるなと感じるし、あとは「軽さ」が求められてきてる気がします。女性をエンパワーメントする表現は重要ですけど、コロナ禍の影響もあって、ちょっと疲弊を感じるケースも目につく。
そういうなかで、ある種の軽さをもって、ユニークさをもって、聴き手を限定することなく、ポジティブなメッセージを発するアーティストが求められるようになってる気がして。そういう意味でもCHAIはこれからますます求められるようになるんじゃないかなって。
マナ:そうなってほしい。「NEOかわいい」とか「コンプレックスはアートなり!」っていうのがずっとありつつ、いまの一番の大きなテーマは「セルフラブ」で、それはきっと誰にでもできることだし、一番幸せなことだと思う。
そのためにも、さっき言ってた「ユニークさ」をより強めたいっていうのは、アメリカツアーに行ってより思ったことで、いまは絶対個性の時代になってるから、そのために自分の顔や体をどれだけ生かせるか。必ず一人ひとりがどこかに魅力を持ってるから、それをどれだけ生かせるかが求められてるなって実感しました。
それはアメリカのトップを見てもわかることで、カーディ・Bとか激しいし、「ドージャ・キャット、セーラームーンじゃん」みたいな(笑)。そういう女性が強い時代だなっていうのも感じつつ、私たちは何かに括るんじゃなくて、世界中の人に音楽を届けたいと強く思っています。
- リリース情報
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CHAI
『SURPRISE』
2022年5月3日(火)配信
- イベント情報
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YouTube Music Weekend vol.5
実施期間:2022年5月6日(金)〜5月8日(日)
※CHAI配信日時:5月7日(土)13:40~
- プロフィール
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- CHAI (ちゃい)
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ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、「NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド」、それがCHAI。2017年「NEOかわいい」「コンプレックスはアートなり!」というテーマを掲げ発表された1stアルバム『PINK』が各チャートを席捲、音楽業界のみならず様々な著名人からも絶賛を受けその存在を確立。2018年にはアメリカ、イギリスの人気インディーレーベルから海外デビューも果たし、自身のワールドツアーや世界各国のフェスへの出演も精力的に行っている。2019年リリースの2ndアルバム『PUNK』は世界中の音楽サイトで軒並み高評価を獲得。2020年にはUSインディーレーベルSUB POPと契約を発表。2021年5月に3rdアルバム『WINK』リリースし世界中のメディアから日本を代表する世界的なバンドとして絶賛されている。彼女たちに触れた君の21世紀衝撃度No.1は間違いなく「NEOかわいい」バンドCHAIだよ!